ITストラテジスト試験

旧システムアナリスト試験、ステムアドミニストレータ試験の内容で、情報処理技術者試験の最高難易度レベル(レベル4)に位置する国家試験で、ITを活用した経営戦略の立案やシステム戦略の策定を担うIT戦略の専門家向けの資格です。

企業の経営層やCIO(最高情報責任者)、ITコンサルタントを目指す人にとって重要な資格であり、高度な経営戦略・IT戦略の知識が求められます

受験資格と難易度

受験資格

ITストラテジスト試験(ST試験)は、受験資格に制限がなく、誰でも受験可能です。
ただし、試験の難易度が非常に高いため、IT業界での実務経験や、応用情報技術者試験(AP試験)レベルの知識があると有利です。

未経験者の注意点

  • IT技術の基礎だけでなく、経営戦略やシステム企画の知識が必要
  • いきなり受験する場合は、実務経験がないと午後試験(記述式・論述式)の対策が難しい
  • 基本情報技術者試験(FE)→応用情報技術者試験(AP)→ITストラテジスト試験(ST)という流れでステップアップするのが一般的

難易度

ITストラテジスト試験(ST試験)は、**情報処理技術者試験の最高レベル(レベル4)**に分類される試験であり、非常に難易度が高いです。

合格率

  • 約15%前後(高度情報処理技術者試験の中でも難関)
  • 記述式・論述式の試験があるため、暗記だけでは合格が難しい
試験 難易度 合格率
ITパスポート(IP) 初級 約50%
基本情報技術者試験(FE) 初級~中級 約25~30%
応用情報技術者試験(AP) 中級 約20~25%
ITストラテジスト試験(ST) 上級(経営戦略特化) 約15%
プロジェクトマネージャ試験(PM) 上級(管理特化) 約13~15%
システムアーキテクト試験(SA) 上級(設計特化) 約13~15%

試験の難しさ(午前・午後の違い)

試験 特徴 難易度
午前I試験(択一式・30問) 基本情報・応用情報と共通の問題 やや易
午前II試験(択一式・25問) ITストラテジスト特有の問題(IT戦略・経営戦略) 普通
午後I試験(記述式・2問選択) IT戦略・システム企画に関する記述問題 難しい
午後II試験(論述式・1問選択) 1200~1600字の論述試験(実務経験が問われる) 非常に難しい

午後試験(記述・論述)の難易度が高い理由

  1. 単なる知識ではなく、論理的な思考力が必要
    • 午後I・II試験は、知識の暗記ではなく「課題→分析→解決策→効果」を論理的に説明する力が求められる
  2. 実務経験があると有利
    • 企業のIT戦略や経営戦略の事例を元に解答する必要があるため、実際にIT戦略を考えた経験があると有利
  3. 論述試験は採点基準が厳しい
    • 午後II試験では「一貫性のある論理展開」が求められ、字数が足りない・論理が破綻していると減点されやすい

試験内容

1. 試験概要

試験区分 試験時間 出題形式 配点 合格基準
午前I 9:30~10:20(50分) 多肢選択式(四肢択一)30問 100点満点 60点以上
午前II 10:50~11:30(40分) 多肢選択式(四肢択一)25問 100点満点 60点以上
午後I 12:30~14:00(90分) 記述式 3問中2問を選択 100点満点 60点以上
午後II 14:30~16:30(120分) 論述式 2問中1問を選択 100点満点 60点以上
  • 午前I試験は、応用情報技術者試験(AP)合格者は免除(合格後2年間)
  • 午後試験(記述式・論述式)が難関で、特に午後II試験は1200~1600字の論述が求められる

2. 試験内容

午前試験

午前I(30問・四肢択一)
  • 基本情報技術者試験(FE)・応用情報技術者試験(AP)と共通の内容
  • ITの基礎知識が問われる
分野 主な出題内容
基礎理論 アルゴリズム、データ構造、統計
コンピュータシステム OS、データベース、ネットワーク
ソフトウェア開発 プログラミング、オブジェクト指向
セキュリティ 暗号技術、認証、情報漏洩対策
プロジェクト管理 WBS、リスク管理、アジャイル
経営・法律 知的財産権、個人情報保護法、契約管理
午前II(25問・四肢択一)
  • ITストラテジスト特有の専門知識が問われる
  • 経営戦略・IT戦略・システム企画・ITガバナンスに関する問題が中心
分野 主な出題内容
経営戦略 企業の経営計画、DX戦略、マーケティング戦略
IT戦略 IT投資計画、ITガバナンス、DX推進
システム企画 要件定義、業務プロセス改善、ERP導入
ITコンサルティング 経営課題の分析、ITを活用した課題解決

午後試験

午後I(記述式・90分・3問中2問選択)
  • 与えられた事例を分析し、問題点や解決策を記述する形式
  • 600~800字程度の記述が求められる
分野 出題テーマ例
経営戦略 企業のDX推進、新規事業のIT活用
IT戦略 IT投資計画の策定、クラウド移行の判断
システム企画 ERP導入、ITシステム最適化
ITガバナンス ITリスク管理、情報セキュリティポリシー策定
午後II(論述式・120分・2問中1問選択)
  • 1200~1600字の論述試験
  • 実際の経験をもとに、課題→分析→解決策→効果を論理的に説明
  • ストーリーの一貫性と説得力が重要
出題テーマ 内容例
経営戦略 ITを活用した新規ビジネスモデルの提案
IT戦略 IT予算の適正化、ITサービスの品質向上
システム企画 DX推進における業務プロセス改善
ITガバナンス ITリスク管理の強化、クラウドセキュリティ対策

論述のポイント

  1. 課題の明確化(現状の問題点を論理的に説明)
  2. 分析・検討(課題の背景や影響を分析)
  3. 解決策の提案(実行可能な具体的なアクションを提示)
  4. 効果の説明(解決策を実施することで得られるメリットを述べる)

試験対策

1. 試験全体の対策ポイント

試験の特徴を理解する

試験区分 試験形式 重要度 対策ポイント
午前I(30問) 四肢択一 過去問演習で得点を確保
午前II(25問) 四肢択一 IT戦略・経営戦略の専門知識を重点学習
午後I(記述式) 3問中2問選択 文章記述力を鍛え、過去問分析
午後II(論述式) 2問中1問選択 非常に高 1200~1600字の論述対策、事前にテンプレートを準備

2. 午前試験対策

午前I(基礎知識問題)

対策ポイント
  • 応用情報技術者試験(AP)と共通の問題が多いため、過去問を中心に学習
  • 午前Iは2年間の免除制度あり(応用情報または高度試験合格者)
おすすめの勉強法
  1. 5年分の過去問を繰り返し解く(IPA公式サイトの過去問を活用)
  2. 間違えた問題をノートにまとめる(弱点を克服)
  3. IT用語集を作成し、短時間で復習できるようにする

午前II(専門知識問題)

対策ポイント
  • ITストラテジスト試験特有の専門知識が問われるため、重点的に学習が必要
  • IT戦略・経営戦略・ITガバナンスの知識を深めることが重要
重点分野
分野 重要度 内容
経営戦略 ★★★★☆ DX推進、SWOT分析、マーケティング
IT戦略 ★★★★★ IT投資、ITガバナンス、クラウド導入戦略
システム企画 ★★★★☆ 業務プロセス改善、ERP導入
ITコンサルティング ★★★☆☆ 経営課題の分析、リスク管理
おすすめの勉強法
  1. 過去問演習を行い、頻出テーマを分析
  2. 「経営戦略」「IT戦略」「システム企画」の基本概念を理解する
  3. ニュースやビジネス書で最新のDXやIT活用事例を学ぶ

3. 午後試験対策

午後I(記述式問題)

対策ポイント
  • 600~800字程度の文章を論理的に書く力をつける
  • 問題文をよく読み、「何を聞かれているのか」を的確に捉える
解答の流れ
  1. 問題文を分析し、主題を把握する
  2. 課題を整理し、要点を抜き出す
  3. 解決策を簡潔に説明し、具体的な効果を示す
おすすめの勉強法
  1. 過去問を3年分解き、解答例を研究する
  2. 問題文からキーワードを抜き出し、簡潔な解答を作成する練習
  3. 模範解答をノートにまとめ、論理的な構成を身につける

午後II(論述式問題)

対策ポイント
  • 1200~1600字の論述が求められるため、ストーリーを考えながら書く力を養う
  • 過去の実務経験をもとに、課題→分析→解決策→効果を論理的に展開する
論述のテンプレート
  1. 背景・課題の提示(現状の問題点を明確に)
  2. 課題の分析(なぜその問題が発生しているのか)
  3. 解決策の提案(実施可能な具体策を提示)
  4. 効果の説明(企業へのメリットや業務効率化の説明)
  5. まとめ・今後の展望(最終的な結論と改善の可能性)
おすすめの勉強法
  1. 過去問をもとに、自分なりの論述を作成する
  2. 模範解答を参考にしながら、論理的な文章構成を学ぶ
  3. 事前にいくつかの論述パターンを準備し、試験当日に応用できるようにする

4. 効果的な学習スケジュール

期間 学習内容
試験3ヶ月前 午前試験の過去問演習、午後試験の出題傾向を分析
試験2ヶ月前 午後I・午後IIの過去問を解き、論述のテンプレートを作成
試験1ヶ月前 午前II試験の頻出分野を重点学習、午後試験の記述練習を強化
試験2週間前 模試や時間を測った演習を行い、実戦形式で対策
試験前日 重要ポイントの復習、体調を整える

5. おすすめの参考書・教材

書籍 特徴
ITストラテジスト試験対策テキスト&過去問題集 午前・午後試験の両方をカバー
ITストラテジスト 午後試験対策 記述&論述トレーニング 記述・論述対策に特化
重点対策 ITストラテジスト試験 試験範囲を体系的に学べる

取得後に出来ること

1. IT戦略立案・経営企画の専門家として活躍

ITストラテジストは、ITを活用した経営戦略の立案やシステム企画の専門家として、企業のIT戦略をリードする立場で活躍できます。

活かせる職種

職種 主な業務内容
ITコンサルタント クライアント企業のIT戦略立案、DX推進支援
CIO(最高情報責任者) 企業のIT全般を統括し、経営とITの橋渡しをする
経営企画担当 ITを活用した経営戦略の策定、新規事業企画
システム企画担当 企業のITシステム導入計画の策定、業務改善
ITガバナンス担当 ITリスク管理、情報セキュリティポリシーの策定
  • 経営層に近いポジションでIT戦略を考え、企業の成長に貢献できる
  • DX(デジタルトランスフォーメーション)推進のリーダーとして活躍できる

2. 転職・昇進に有利

ITストラテジスト試験は、経営戦略とITを融合した専門知識を持つことを証明する国家資格であるため、転職や昇進において有利になります。

取得のメリット

  • マネジメント層(部長・課長・管理職)への昇進が有利
    • IT部門の管理職やCIO候補としての評価が高まる
  • ITコンサルティング会社や大手企業のIT企画部門への転職に有利
    • IT戦略を理解していることが求められる職種で評価されやすい
  • IT業界以外の企業でも活躍できる
    • IT企業だけでなく、メーカー・金融・商社などでもIT戦略の専門家としての需要が高い

求められる業界・企業

業界 ITストラテジストの役割
ITコンサルティング クライアントのIT戦略を立案・実行支援
大手企業(IT企画部門) 社内のIT戦略策定、システム導入計画
金融業界(銀行・証券) デジタルバンキングやフィンテックの推進
メーカー(製造業) DX推進、スマートファクトリー構築
公共機関(官公庁・自治体) 行政のIT化、スマートシティ計画の立案

3. 資格手当・報奨金の対象となる

企業によっては、ITストラテジスト試験の合格者に対して資格手当や報奨金を支給する場合があります。

具体例

  • 資格手当:毎月 5,000円~20,000円 の支給
  • 報奨金(取得時の一時金)10,000円~100,000円 の支給

※支給の有無や金額は企業ごとに異なるため、社内の資格制度を確認することをおすすめします。

4. 独立・フリーランスとしての活躍

ITストラテジスト試験の取得後は、フリーランスのITコンサルタントとして独立することも可能です。

フリーランスとしての活かし方

仕事の種類 具体的な業務
ITコンサルティング 企業のIT戦略立案、業務改善提案
DX支援 デジタル技術を活用した業務改革の推進
システム導入アドバイザー ERP・クラウドサービスの導入支援
情報セキュリティアドバイザー ITガバナンス、セキュリティポリシー策定
  • 企業のIT戦略アドバイザーとしてコンサルティング業務を請け負う
  • フリーランスとして独立し、企業のIT戦略支援やDX推進を行う

5. 他の高度情報処理技術者試験の午前I免除

ITストラテジスト試験に合格すると、他の高度情報処理技術者試験(レベル4)の午前I試験が2年間免除されます。

免除対象となる試験

高度試験 試験の特徴
プロジェクトマネージャ(PM) ITプロジェクト管理の専門資格
システムアーキテクト(SA) システム設計の上級資格
ITサービスマネージャ(SM) IT運用・管理の専門資格
IT経営者向け試験(AU) ITガバナンス・内部統制の資格

高度試験に挑戦する場合、午前I免除制度を活用すると効率的に合格を目指せるため、次のキャリアステップとして高度試験を受験するのもおすすめです。

6. 大学の単位認定・入試優遇

ITストラテジスト試験を取得すると、一部の大学・専門学校で単位認定や入試優遇が受けられる場合があります。

単位認定の例

  • 情報系の大学・専門学校では、「ITストラテジスト試験」を取得していると 一部の単位が免除 されることがある
  • 大学院(MBA・IT系)への入試優遇として、書類審査で評価されることがある

おすすめの講習、教材

教材

 講座

コンピューター系資格一覧

応用情報技術者試験
基本情報技術者
エンベデッドシステムスペシャリスト試験
ITストラテジスト試験
システムアーキテクト試験
システム監査技術者
ITサービスマネージャ試験
ITパスポート試験
ネットワークスペシャリスト試験
プロジェクトマネージャ
情報処理安全確保支援士試験(RISS)
データベーススペシャリスト試験
Accessビジネスデータベース技能認定試験
Excel表計算処理技能認定試験
Word文書処理技能認定試験
PowerPointプレゼンテーション技能認定試験
Javaプログラミング能力認定試験
COBOLプログラミング能力認定試験
パソコン検定(P検)
C言語プログラミング能力認定試験
情報処理技術者能力認定試験
VisualBasicプログラミング能力認定試験
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
VBAエキスパート
IC3
ワードプロセッサ技能認定試験
パソコン技能検定Ⅱ種試験
EC(電子商取引)実践能力検定
OracleApplication認定コンサルタント
CAD利用技術者試験
ORACLE MASTER(オラクルマスター)
会計ソフト実務能力試験
Server+
A+
コンピュータサービス技能評価試験
J検(情報検定)
Linux+
Network+
UBA能力検定
マイクロソフト認定トレーナー(MCT)
マイクロソフト認定資格プログラム
Linux技術者認定試験
情報セキュリティ検定試験
UMLモデリング技能認定試験
Oracle Certified Java Programmer(OCJP)
CGエンジニア検定
画像処理エンジニア検定
シスコ技術者認定
インターネット検定 .com Master
Cisco技術者認定資格(CCIE)
Turbo-CE/Pro/CI
CIW
RHCE(Red Hat認定エンジニア)
Oracle Solaris 11 System Administrator
PostgreSQL CE
情報ネットワーク施工プロフェッショナル(INIP)
Zend PHP 5 Certification
商PC検定試験

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