UML(Unified Modeling Language)を用いたモデリング技術の習得度を評価する試験です。ソフトウェア開発における設計・分析スキルを測ることを目的としており、モデリングの基礎から実践的な設計能力までを問われます。
目次
試験の概要
試験は、一般社団法人オブジェクト指向技術振興協会(OOT)の主催で実施されており、以下の2つのレベルがあります。
L1(レベル1):基礎試験
-
- UMLの基本的な概念や表記方法について問われる
- クラス図、ユースケース図、シーケンス図などの基本的なダイアグラムの理解が必要
- 主にUMLを初めて学ぶ人やエンジニア向け
L2(レベル2):実践試験
-
- UMLを活用したモデリングの応用力を評価
- システムの要求分析や設計に関する知識が求められる
- より高度なモデリングスキルを持つエンジニアや設計者向け
受験資格と難易度
受験資格
UMLモデリング技能認定試験には、特別な受験資格はありません。年齢や学歴、職歴に関係なく、誰でも受験できます。
ただし、試験のレベルごとに求められる知識や経験の目安が異なります。
- L1(レベル1): UMLの基礎知識があれば受験可能。初心者向け。
- L2(レベル2): 実務経験があると有利。特に、ソフトウェア設計やシステム開発の経験がある人向け。
試験の難易度
試験の難易度はレベルごとに異なります。
L1(基礎試験)の難易度 ★★☆☆☆(やや易しい)
- UMLの基本概念や主要なダイアグラムの記法を問う内容。
- ある程度の独学でも対応可能。
- ソフトウェア開発未経験者でも、公式テキストや参考書を使えば合格可能。
- 過去問や模擬試験を解いておくと安心。
L1の合格率: 約50~60%(基礎をしっかり学べば合格可能)
L2(実践試験)の難易度 ★★★★☆(難しい)
- UMLを使ったシステム設計の実践力が問われる。
- モデリングの応用力や設計課題の解決能力が必要。
- 実際のソフトウェア開発経験がないと、問題の意図を理解しにくい可能性あり。
- 記述式や設計課題も含まれるため、試験対策が必須。
L2の合格率: 約30~40%(実務経験者向け)
試験内容
L1(基礎試験)の内容
試験の目的
UMLの基本概念やモデリングの基礎スキルを問う。
出題範囲
-
UMLの基本概念
- UMLとは何か、なぜ必要か
- UMLの利用目的とメリット
-
基本的なUMLダイアグラム
- 構造を表す図:
- クラス図(Class Diagram)
- オブジェクト図(Object Diagram)
- コンポーネント図(Component Diagram)
- 配置図(Deployment Diagram)
- 振る舞いを表す図:
- ユースケース図(Use Case Diagram)
- シーケンス図(Sequence Diagram)
- アクティビティ図(Activity Diagram)
- 状態遷移図(State Machine Diagram)
- 相互作用概要図(Interaction Overview Diagram)
- 構造を表す図:
-
UMLの基本的な表記法とルール
- クラスの属性・メソッドの記述方法
- 関係(関連、継承、集約、コンポジション)
- アクターやオブジェクトの表記方法
-
基本的なモデリング手法
- 要求分析とユースケースモデリング
- オブジェクト指向設計の基本概念
試験形式
- 問題数: 約40問
- 試験時間: 60分
- 出題形式: 選択式(4択または5択)
- 合格基準: 正答率70%以上
難易度と対策
- UMLの基本的な知識が問われるため、参考書や過去問を解いておけば合格は十分可能。
- 実際にUMLの図を描く練習をしておくと理解が深まる。
L2(実践試験)の内容
試験の目的
UMLを活用した実践的なモデリング能力を問う。
出題範囲
-
システムモデリングの応用
- 要求仕様の分析とモデル化
- ユースケースの詳細設計
- クラス図・オブジェクト図の実装レベルでの利用
- 各種ダイアグラムを組み合わせたシステム設計
-
オブジェクト指向設計の原則
- SOLID原則(単一責任、オープンクローズド、リスコフの置換、インターフェース分離、依存性逆転)
- デザインパターン(Singleton, Factory, Observer など)
- 責務分割の考え方
-
高度なUMLダイアグラムの活用
- コンポーネント図、配置図、パッケージ図の詳細な使い方
- 依存関係の分析と設計
- アクティビティ図や状態遷移図の詳細な活用
-
設計パターンとアーキテクチャの考え方
- MVC(Model-View-Controller)パターンの適用
- レイヤードアーキテクチャの設計手法
- システムのスケーラビリティと拡張性の考慮
試験形式
- 問題数: 約10~15問
- 試験時間: 90分
- 出題形式: 記述式、モデリング課題あり(ダイアグラムを描く問題など)
- 合格基準: 正答率60~70%以上
試験対策
L1(基礎試験)の対策
① UMLの基礎知識をしっかり理解する
L1試験は、UMLの基本概念や各種ダイアグラムの記法を理解していれば合格できます。
特に重点的に学習すべきダイアグラム:
- クラス図(Class Diagram): クラス、属性、メソッド、関連、継承、集約、コンポジション
- ユースケース図(Use Case Diagram): アクター、ユースケース、システム境界
- シーケンス図(Sequence Diagram): メッセージの流れ、オブジェクトのライフライン
- アクティビティ図(Activity Diagram): フローの表現、分岐・合流の記法
- 状態遷移図(State Machine Diagram): 状態、遷移、イベント
ポイント:
- UMLの図の構成要素やルールを正確に覚える
- 各ダイアグラムの役割と用途を理解する
- UMLの記法(矢印の種類、ラベルの意味など)を正しく覚える
② 公式テキストを活用する
試験問題は公式テキストの内容に基づいて出題されるため、まずはこれをしっかり読み込みましょう。
- おすすめ書籍:
- 「UMLモデリング技能認定試験 公式テキスト」
- 「UMLモデリング入門」
③ 模擬試験・過去問を解く
過去問や模擬試験を通して、出題パターンに慣れることが重要です。
- OOT(一般社団法人オブジェクト指向技術振興協会)の公式サイトで公開されているサンプル問題を活用する。
- 時間を計って試験本番のつもりで解いてみる。
- 間違えた問題を復習し、なぜ間違えたのかを理解する。
L2(実践試験)の対策
L2はL1に比べて難易度が高く、実際の設計力や応用力が問われます。
① UMLを使った設計の経験を積む
L2では、実際にシステムを設計しながらUMLを活用できる能力が求められます。
-
身近なシステムをUMLでモデリングする
- 例:オンラインショッピングサイト、銀行のATMシステムなど
- ユースケース図 → クラス図 → シーケンス図 の流れで作成
-
UMLモデリングツールを活用する
- Astah(無料版あり)
- Enterprise Architect
- Visual Paradigm
→ 実際にUMLの図を描くことで理解が深まる
② オブジェクト指向設計の原則を理解する
L2では、UMLの知識だけでなく、オブジェクト指向設計の原則やデザインパターンの知識も求められます。
- SOLID原則(単一責任、オープンクローズド、リスコフの置換、インターフェース分離、依存性逆転)
- 代表的なデザインパターン(Singleton, Factory, Observer, MVCなど)
ポイント:
- 「この設計がなぜ適切なのか?」を説明できるようにする
- システムの拡張性や保守性を考えた設計を意識する
③ 記述式問題の対策をする
L2では、記述式の問題やモデリング課題が出題されます。
- 過去問やサンプル問題を解き、自分の言葉で設計の意図を説明する練習をする
- シナリオを読んで、適切なUMLダイアグラムを作成する力を養う
- 企業の設計ドキュメントなどを参考に、実際の業務で使われるUMLの書き方を学ぶ
取得後に出来ること
L1(基礎試験)取得後にできること
L1はUMLの基本的な概念や記法を理解していることを証明する資格です。
1. UMLを使った設計書の読解・作成ができる
- クラス図やユースケース図を使った基本的な設計書を作成できる
- 既存の設計書を読んで理解し、開発に役立てることができる
2. 開発チーム内でのコミュニケーションがスムーズになる
- UMLを使ったシステム設計の説明ができるため、開発チームとの意思疎通が円滑に進む
- エンジニアだけでなく、プロジェクトマネージャーや顧客とも共通言語で話せる
3. 初級レベルのソフトウェア設計ができる
- 仕様書や設計ドキュメントを作成する際に、UMLを用いた表現が可能になる
- 小規模なシステムやアプリの設計ができるようになる
4. ITエンジニア・プログラマーとしての就職・転職に有利
- UMLの知識を持っていることをアピールできるため、新卒や未経験エンジニアの就職活動に有利
- システム設計を学びたい開発者にとって良いキャリアの第一歩となる
L2(実践試験)取得後にできること
L2は、実践的なモデリングスキルとソフトウェア設計能力があることを証明する資格です。
1. システムアーキテクチャの設計ができる
- 企業向けの大規模システムの設計ができるようになる
- オブジェクト指向設計の原則(SOLID原則、デザインパターンなど)を考慮した設計ができる
- クラス図・シーケンス図・状態遷移図などを組み合わせて、システムの全体像を設計
2. 要件定義や設計フェーズで活躍できる
- 顧客の要求をUMLを使って可視化し、適切な設計を提案できる
- 要件定義・基本設計・詳細設計のフェーズで、設計者としてリーダーシップを発揮できる
3. チームリーダー・アーキテクトとしてのキャリアアップ
- UMLを使った設計の知識を活かし、設計リーダーやアーキテクトとしてのキャリアを目指せる
- プロジェクトの上流工程(要件定義、設計)に携わる機会が増える
4. 転職・キャリアアップに有利になる
- UMLモデリングのスキルを活かして、システムエンジニア(SE)やITコンサルタントへの転職がしやすくなる
- 「設計ができるエンジニア」は市場価値が高く、給与アップの可能性がある
UMLモデリング技能認定試験の取得が役立つ職種
資格取得後、以下のような職種で活かすことができる。
職種 | UMLスキルの活かし方 |
---|---|
ソフトウェアエンジニア | UMLを活用して設計書を作成し、開発を効率化 |
システムエンジニア(SE) | システムの要件定義や基本設計を行う際に使用 |
プロジェクトマネージャー(PM) | 設計ドキュメントを用いたコミュニケーションに活用 |
ITコンサルタント | クライアントの業務システムを設計し、提案 |
アーキテクト | システム全体の設計・構築を担当 |
テクニカルリード | 設計の品質向上やチームの技術指導に貢献 |
UMLモデリング技能認定試験取得のメリット
1. 開発者から設計者へのステップアップが可能
プログラマーとしての経験がある人が、システム設計者やアーキテクトへのキャリアアップを目指す際に有利。
2. 上流工程のスキルが身につき、転職市場での価値が上がる
- 「設計ができるエンジニア」は市場価値が高く、企業からの評価が上がる
- システム開発の上流工程に関わる仕事(要件定義、基本設計、アーキテクチャ設計)への転職が有利
3. チーム開発において設計の標準化・効率化ができる
- UMLを活用することで、設計の品質を統一し、開発チーム全体の生産性を向上できる
4. フリーランスエンジニアとしての信頼性が向上
- UMLの知識があると、フリーランスエンジニアとしてシステム設計案件を受注しやすくなる
- 「設計ができるフリーランス」は単価が高く、安定した案件獲得が可能
コンピューター系資格一覧
応用情報技術者試験
基本情報技術者
エンベデッドシステムスペシャリスト試験
ITストラテジスト試験
システムアーキテクト試験
システム監査技術者
ITサービスマネージャ試験
ITパスポート試験
ネットワークスペシャリスト試験
プロジェクトマネージャ
情報処理安全確保支援士試験(RISS)
データベーススペシャリスト試験
Accessビジネスデータベース技能認定試験
Excel表計算処理技能認定試験
Word文書処理技能認定試験
PowerPointプレゼンテーション技能認定試験
Javaプログラミング能力認定試験
COBOLプログラミング能力認定試験
パソコン検定(P検)
C言語プログラミング能力認定試験
情報処理技術者能力認定試験
VisualBasicプログラミング能力認定試験
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
VBAエキスパート
IC3
ワードプロセッサ技能認定試験
パソコン技能検定Ⅱ種試験
EC(電子商取引)実践能力検定
OracleApplication認定コンサルタント
CAD利用技術者試験
ORACLE MASTER(オラクルマスター)
会計ソフト実務能力試験
Server+
A+
コンピュータサービス技能評価試験
J検(情報検定)
Linux+
Network+
UBA能力検定
マイクロソフト認定トレーナー(MCT)
マイクロソフト認定資格プログラム
Linux技術者認定試験
情報セキュリティ検定試験
UMLモデリング技能認定試験
Oracle Certified Java Programmer(OCJP)
CGエンジニア検定
画像処理エンジニア検定
シスコ技術者認定
インターネット検定 .com Master
Cisco技術者認定資格(CCIE)
Turbo-CE/Pro/CI
CIW
RHCE(Red Hat認定エンジニア)
Oracle Solaris 11 System Administrator
PostgreSQL CE
情報ネットワーク施工プロフェッショナル(INIP)
Zend PHP 5 Certification
商PC検定試験