BATIC(国際会計検定)

東京商工会議所が主催する国際会計の知識を測る検定試験です。英語で行われるため、英語での会計スキルを証明するのに適しています。

国際財務報告基準(IFRS)や米国会計基準(US GAAP)を中心とした国際会計の知識を測る試験です。特に、外資系企業やグローバル企業で働く際に役立ちます。

BATICは、以下の2つのセクションで構成されています。

① Accounting Managerial Module(AM: アカウンティング・マネジメント)

  • 財務会計の基礎知識を問う
  • 複式簿記や財務諸表の作成・分析などを含む

② Financial Accounting Module(FA: ファイナンシャル・アカウンティング)

  • IFRS(国際財務報告基準)やUS GAAP(米国会計基準)を中心とした内容
  • より高度な国際会計の知識を必要とする

主催
東京商工会議所

受験資格と難易度

受験資格

BATICには特別な受験資格はなく、誰でも受験可能です。
簿記の資格や実務経験がなくても受験できますが、試験は英語で行われるため、英語の読解力が求められます。

推奨される受験者
  • 簿記の基礎知識がある人(簿記3級~2級レベル)
  • 英語での会計・財務の用語に慣れている人
  • 外資系企業や国際会計の仕事を目指している人

難易度

Accounting Managerial Module(AM)

難易度:簿記3級~2級レベル

  • 簡単な仕訳問題や財務諸表の作成が中心
  • 英語表記での会計用語に慣れていれば、難易度はそこまで高くない
  • 簿記の基礎があると有利

対策として:簿記2級レベルの知識を英語で学習すれば合格可能

Financial Accounting Module(FA)

難易度:簿記1級~USCPA(米国公認会計士)レベル

  • IFRS(国際財務報告基準)やUS GAAP(米国会計基準)が出題される
  • 簿記1級レベルの知識が求められる
  • 高度な英語読解力が必要
  • 国際会計のルールを深く理解している必要がある

対策として:

  • IFRSやUS GAAPの基礎を学ぶ(IFRSの入門書やUSCPAの参考書を活用)
  • 英語の財務諸表を読み解く練習をする
  • 過去問やサンプル問題を解いて実践的な対策をする

合格率

BATICはスコア制なので「合格・不合格」という形ではないが、700点以上(Controller Level)を取得するのは難易度が高い。

  • AMモジュールの平均点:比較的高め(400~500点程度のスコアを取得する人が多い)
  • FAモジュールの平均点:低め(600点以上取るのは難しく、400点台が一般的)

特にFAモジュールは、IFRSやUS GAAPの知識が必須なため、簿記1級やUSCPAの勉強をしている人でも苦戦することがある。

まとめ

モジュール 難易度 内容 推奨レベル
AM(Accounting Managerial) 簿記3級~2級レベル 基礎的な会計知識、仕訳、財務諸表作成 簿記の基礎がある人
FA(Financial Accounting) 簿記1級~USCPAレベル IFRS・US GAAPの高度な知識 会計の専門知識が必要

BATICの難易度をざっくりまとめると

  • AMモジュールは、簿記2級レベルの人なら対策すれば合格可能
  • FAモジュールは、簿記1級レベルの知識と英語力がないと高得点は難しい

まずAMモジュールから受験し、余裕があればFAモジュールに挑戦するのがおすすめ。

試験内容

Accounting Managerial Module(AM)

試験時間:60分
出題範囲:財務会計の基本概念と仕訳、財務諸表の作成・分析

出題範囲の詳細
  1. 会計の基本概念

    • 会計の目的と役割
    • 簿記の基本(借方・貸方、T勘定)
    • 仕訳と勘定科目
  2. 財務諸表の作成

    • 貸借対照表(Balance Sheet, B/S)
    • 損益計算書(Income Statement, P/L)
    • キャッシュフロー計算書(Statement of Cash Flows)
  3. 仕訳と調整

    • 収益と費用の認識
    • 売掛金・買掛金
    • 減価償却の計算
    • 勘定締めと試算表の作成
  4. 財務諸表分析

    • 流動比率や自己資本比率などの財務指標
    • 利益率の分析
    • 損益分岐点分析
AMモジュールの特徴
  • 日本の簿記と類似しているため、簿記3級~2級レベルの知識があればスムーズに理解できる
  • 試験問題はすべて英語で出題されるため、英語の会計用語に慣れる必要がある

Financial Accounting Module(FA)

試験時間:120分
出題範囲:IFRS(国際財務報告基準)とUS GAAP(米国会計基準)を中心とした高度な財務会計

出題範囲の詳細
  1. 国際財務報告基準(IFRS)

    • IFRSの基本原則(収益認識、資産・負債の測定基準)
    • IFRSに基づく財務諸表の作成
    • 公正価値測定(Fair Value Measurement)
    • 連結財務諸表の作成(親会社・子会社・関連会社の会計処理)
  2. 米国会計基準(US GAAP)

    • US GAAPの基本概念(GAAPとIFRSの比較)
    • 減損会計(Impairment Accounting)
    • 収益認識基準(Revenue Recognition)
    • 退職給付会計(Pension Accounting)
  3. 高度な会計処理

    • リース会計(Leasing Accounting)
    • 税効果会計(Deferred Tax Accounting)
    • 株式報酬制度(Stock-based Compensation)
    • 外貨換算(Foreign Currency Translation)
  4. キャッシュフロー計算書の作成と分析

    • 直接法・間接法
    • 営業活動・投資活動・財務活動の区分
    • フリーキャッシュフローの計算
FAモジュールの特徴
  • IFRSやUS GAAPに基づく国際会計基準の知識が求められる
  • 簿記1級レベル以上の難易度で、国際会計の専門知識が必要
  • 問題は実務を想定した応用的な内容が多く、英語の長文読解力も問われる

試験問題の形式

BATICの問題はすべて 選択式(Multiple Choice) です。
受験者は コンピュータベース(CBT方式) で解答を行います。

モジュール 試験時間 出題形式 問題数(目安)
AM 60分 選択式(Multiple Choice) 30~40問
FA 120分 選択式(Multiple Choice) 40~50問

FAモジュールの方が試験時間が長く、問題数も多いため、事前に時間配分の戦略を立てることが重要です。

試験対策

Accounting Managerial Module(AM)の試験対策

AMモジュールの特徴

  • 簿記3級~2級レベルの内容が中心
  • 基礎的な仕訳や財務諸表の作成が主なテーマ
  • 問題は英語で出題されるため、会計英語に慣れることが重要

学習ポイント

1. 会計の基本を理解する

  • 日本の簿記2級レベルの知識があると有利
  • 財務三表(貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書)を英語で読めるようにする

2. 英語の会計用語を覚える

  • 日本語と英語の会計用語を比較しながら学習
  • 例:
    • 資産(Assets)、負債(Liabilities)、純資産(Equity)
    • 売掛金(Accounts Receivable)、買掛金(Accounts Payable)
    • 減価償却(Depreciation)、引当金(Provision)

3. 過去問や模擬試験を解く

  • BATIC公式のサンプル問題を解いて形式に慣れる
  • 簿記2級の問題を英語に訳してみるのも効果的

4. 財務諸表の分析に慣れる

  • 貸借対照表(B/S)損益計算書(P/L)を英語で読む練習
  • 財務指標(流動比率、自己資本比率など)の計算方法を確認

おすすめの教材

  • 「BATIC公式テキスト Accounting Managerial Module」
  • 「Financial Accounting in English」(英語の会計基礎が学べる)
  • 「日商簿記2級テキスト」(会計知識の補強用)

Financial Accounting Module(FA)の試験対策

FAモジュールの特徴

  • 簿記1級~USCPAレベルの内容
  • IFRS・US GAAPに基づく国際会計基準が中心
  • 実務的な財務会計の知識が問われるため、深い理解と英語力が必要

学習ポイント

1. IFRSとUS GAAPの基礎を学ぶ

  • IFRSとUS GAAPの違いを理解する
  • 財務報告の原則や測定基準(公正価値測定など)を押さえる
  • 主要な会計基準を整理(例:IFRS 15「収益認識」, IFRS 16「リース会計」)

2. 高度な会計処理をマスターする

  • 連結会計(Consolidation)
  • 減損会計(Impairment Accounting)
  • 税効果会計(Deferred Tax Accounting)
  • キャッシュフロー計算書の作成(直接法・間接法)

3. IFRS・US GAAPの公式文書に触れる

  • IFRS財務諸表(英語版)を読んでみる
  • 「IFRS Foundation」や「FASB(米国財務会計基準審議会)」のサイトで最新情報を確認

4. 英語の問題文に慣れる

  • 会計英語の長文問題が出題されるため、リーディングの練習をする
  • 例:「Revenue shall be recognized when it is probable that economic benefits will flow to the entity.」

おすすめの教材

  • 「BATIC公式テキスト Financial Accounting Module」
  • 「IFRS入門書(英語・日本語)」
  • 「USCPA(米国公認会計士)試験用テキスト」(FA対策に役立つ)
  • 「IFRS財務諸表の実例集」(実際の企業の財務諸表を参考にする)

共通の試験対策

1. 英語の会計表現に慣れる

  • 問題はすべて英語なので、会計用語+文章を読む力が必須
  • 実際の財務諸表(Annual Report)を読むのもおすすめ

2. 過去問・模擬試験を活用

  • BATICの公式サンプル問題を解く
  • USCPAの問題集を使って応用力を養う

3. 時間配分の練習

  • FAモジュールは120分で50問程度あるため、速く正確に解く練習が必要

試験対策スケジュール例

短期間(1~2ヶ月)で合格を目指す場合

期間 学習内容
1週目 会計用語を英語で覚える(基本編)
2週目 AMの財務諸表作成・仕訳の練習
3週目 IFRS・US GAAPの基礎を学ぶ
4週目 過去問・模擬試験を解いて実践力強化

3ヶ月以上かけてじっくり対策する場合

期間 学習内容
1ヶ月目 AMの基礎学習(財務諸表・仕訳)
2ヶ月目 FAの基礎(IFRS・US GAAPの理解)
3ヶ月目 応用問題・過去問を解いて対策

取得後に出来ること

スコア別にできること

BATICは点数によってランクが決まります。それぞれのランクごとに、どのような仕事やスキルが証明されるのかを見ていきます。

スコア ランク できること
700~1,000点 Controller Level CFO・経理部長・海外拠点責任者レベルの知識
600~699点 Accounting Manager Level 財務・経理マネージャー、外資系企業の経理
500~599点 Accounting Supervisor Level 国際会計の基礎を理解、経理・財務担当者
400~499点 Bookkeeper Level 簿記の基礎レベル、国内企業の経理

BATIC取得後の具体的なキャリアパス

1. 外資系企業・グローバル企業での経理・財務職

BATICは、IFRSやUS GAAPの知識を問うため、外資系企業や海外展開している企業での経理・財務職に有利です。

可能な職種

  • 外資系企業の経理担当(Accounting Staff)
  • 海外子会社の財務管理(Finance Controller)
  • 国際会計基準に対応した決算業務(Financial Reporting Specialist)

求められるスコア

  • 600点以上(Accounting Manager Level)があると転職市場で評価されやすい
  • 700点以上(Controller Level)であれば、外資系企業の上級職も狙える

2. 海外勤務・海外駐在

BATICは国際会計の知識と英語スキルを証明する資格のため、海外勤務のチャンスが広がります。

可能な職種

  • 海外子会社の経理・財務責任者
  • 海外支店の経営管理
  • グローバルファイナンス部門の担当者

求められるスコア

  • 700点以上(Controller Level)なら、海外駐在やグローバル財務部門で活躍できるレベル

3. 転職・キャリアアップ

BATICは、特に外資系・国際企業の転職で評価される資格です。
また、日本国内の企業でも、国際会計基準(IFRS)を導入している企業では評価が高いです。

BATICが評価される業界

  • 外資系企業(米国・欧州・アジア資本)
  • グローバル展開する大手メーカー・商社
  • 金融機関(銀行・証券・保険)
  • 監査法人・コンサルティングファーム

求められるスコア

  • 500点以上(Accounting Supervisor Level)で国際会計の基礎知識があると評価される
  • 600点以上(Accounting Manager Level)で管理職候補として有利
  • 700点以上(Controller Level)でCFO候補レベル

4. USCPA(米国公認会計士)・IFRS資格の取得に挑戦

BATICの勉強を通じて、IFRSやUS GAAPの基礎が身につくため、より上位資格であるUSCPA(米国公認会計士)やIFRS関連資格(IFRS Certificate)に挑戦しやすくなります。

BATIC取得後に挑戦できる資格

  • USCPA(米国公認会計士)
  • IFRS Certificate(国際会計基準資格)
  • CMA(米国管理会計士資格)
  • CFA(米国証券アナリスト)

おすすめのルート

  1. BATIC 600点以上IFRS・US GAAPの基礎を習得
  2. USCPAやIFRS資格に挑戦さらに高度な会計知識を取得
  3. 外資系企業やグローバル企業で活躍

5. コンサルティング業界での活躍

BATICで得た知識は、監査法人やコンサルティング業界でも役立ちます

可能な職種

  • 会計コンサルタント
  • M&Aアドバイザー
  • 企業のIFRS導入支援

特に、IFRS導入支援や海外M&Aに関わる仕事では、BATICの知識が活かせます。

求められるスコア

  • 600点以上(Accounting Manager Level)があれば、監査法人・コンサルで評価される
  • 700点以上(Controller Level)であれば、より上位のポジションを狙える

財務・経営系資格一覧

公認会計士
税理士
中小企業診断士
簿記検定
ファイナンシャル・プランニング技能士
証券アナリスト
簿記能力検定
建設業経理検定
経営士
ファイナンシャル・プランナー
実用数学技能検定
DCプランナー
DCアドバイザー
マーケティング・ビジネス実務検定
MBA
不動産証券化協会認定マスター
モーゲージプランナー
銀行業務検定試験
BATIC(国際会計検定)
CPA(米国公認会計士)
米国公認管理会計士
米国税理士(EA)
PMP試験
CISA(公認情報システム監査人)
CIRP(サーティファイド・IRプランナー)
シニアリスクコンサルタント
ITコーディネータ資格認定制度
ファイナンシャル・リスクマネージャ
アクチュアリー資格試験
二種外務員資格試験
CIA(公認内部監査人)
CFA(CFA協会認定証券アナリスト)
ホスピタリティ検定試験
イベント業務管理者
ファシリティマネージャー
PRプランナー資格認定制度
プロジェクトマネジメント資格
VEリーダー認定試験
販売士検定
セールススキル検定試験
セールスレップ資格認定制度
販路コーディネータ資格認定制度
交渉アナリスト
CISM(公認情報セキュリティマネージャー)

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