米国の公認会計士資格であり、会計・監査・税務・財務に関する高度な専門知識と倫理基準を備えた専門家として認められる資格で日本国内でも外資系企業や国際的な会計業務で評価が高く、近年取得を目指す人が増えています。
目次
受験資格と難易度
1. CPAの受験資格
CPAの受験資格は「州ごとに異なる」のが特徴ですが、一般的には以下の要件が求められます。
基本的な受験資格要件
項目 | 一般的な要件 |
---|---|
学歴 | 4年制大学の学士号(学位) |
会計単位 | 24〜30単位(州による) |
ビジネス関連単位 | 24単位(州による) |
総単位数 | 120単位(受験可能な州) or 150単位(ライセンス取得) |
受験資格のポイント
- 学士号(4年制大学卒業)が基本
- ただし、短大卒(2年制)でも追加単位を取得すれば受験できる場合あり
- 120単位で受験可能な州もあるが、ライセンス取得には150単位必要
- 150単位に満たない場合は、追加で単位を取得する必要あり(オンラインコース・大学院・通信教育など)
- 会計・ビジネス単位の要件を満たす必要がある
- たとえば、会計学の基礎コースや税務・監査の科目を履修しているかがポイント
受験資格の州別の違い
受験資格のハードルが低い州(例):
- アラスカ州:120単位で受験可能
- カリフォルニア州:会計24単位、ビジネス24単位、120単位で受験可能
- グアム州:学位なしでも単位があれば受験可能(日本人にも人気)
受験資格のハードルが高い州(例):
- ニューヨーク州:150単位が必須
- テキサス州:学士号+150単位+追加要件あり
まずは、自分の学歴・単位がどの州の受験資格を満たしているか確認が必要。
2. CPA試験の難易度
CPA試験の難易度は高いものの、日本の公認会計士試験(JCPA)よりは合格しやすいとされている。
CPA試験の合格率
科目 | 合格率(2023年データ) |
---|---|
FAR(財務会計) | 約45〜50% |
AUD(監査) | 約45〜50% |
REG(税法・法律) | 約55〜60% |
BEC(ビジネス・経済) | 約60〜65% |
- 平均合格率は約50%前後
- BECは比較的合格しやすいが、FAR・AUDは難関
- 1科目ずつ受験できるので、計画的に勉強すれば合格しやすい
3. CPA試験と日本の公認会計士試験(JCPA)の比較
項目 | 米国公認会計士(CPA) | 日本公認会計士(JCPA) |
---|---|---|
試験制度 | 4科目、科目合格制(18ヶ月以内) | 短答式+論文式 |
合格率 | 約50%(科目ごと) | 10〜15% |
試験時間 | 1科目4時間(合計16時間) | 2〜3年が一般的 |
受験資格 | 大学卒+単位要件 | 特になし(誰でも受験可能) |
言語 | 英語 | 日本語 |
難易度 | JCPAより易しいが、英語がハードル | 国内最難関資格の一つ |
試験内容
CPA試験は 4つの科目(FAR・AUD・REG・BEC) から構成され、それぞれ異なる会計・監査・税務・ビジネス分野の知識を問われます。
1. 試験科目と配点
CPA試験は 各科目100点満点 で、75点以上が合格 となります。
科目 | 内容 | 試験時間 | 配点割合 |
---|---|---|---|
FAR(財務会計) | 財務会計、IFRS・GAAP、財務諸表分析 | 4時間 | MCQ50%、TBS50% |
AUD(監査) | 監査手続き、内部統制、職業倫理 | 4時間 | MCQ50%、TBS50% |
REG(税法・ビジネス法) | 連邦税法(個人・法人)、ビジネス法 | 4時間 | MCQ50%、TBS50% |
BEC(ビジネス環境) | 経済学、IT、企業ガバナンス、管理会計 | 4時間 | MCQ50%、TBS35%、WC15% |
- MCQ(Multiple Choice Questions):選択式問題
- TBS(Task-Based Simulations):実務シミュレーション問題
- WC(Written Communication):記述問題(BECのみ)
2. 各科目の詳細
FAR(Financial Accounting and Reporting:財務会計)
FARは、会計の基礎となる財務報告や財務諸表の作成・分析に関する問題が出題されます。
試験範囲
- 財務諸表の作成(GAAP・IFRS)
- 収益認識、リース、金融商品、資産評価
- 減損・負債・引当金・偶発負債
- 企業結合・合併・連結会計
- 政府会計・非営利会計(GASB)
- 会計変更・誤謬訂正・キャッシュフロー計算書
難易度のポイント
- IFRSとGAAPの違いを理解する必要がある
- 財務諸表の作成、企業結合・リース会計が頻出
- 計算問題が多く、会計学の基礎知識が問われる
AUD(Auditing and Attestation:監査)
監査の基本概念、監査基準(GAAS)、リスク評価、内部統制などが問われます。
試験範囲
- 監査基準(GAAS・PCAOB)
- 監査プロセス(計画・実施・報告)
- リスク評価と内部統制の評価
- 監査証拠の取得と監査手続き
- 不正リスク・監査リスクの評価
- 監査報告書の種類(適正・限定・否定・意見不表明)
難易度のポイント
- 監査プロセスを理解することが重要
- 内部統制の評価やリスク管理が頻出
- 計算問題は少なく、概念的な理解が必要
REG(Regulation:税法・ビジネス法)
米国の連邦税法(個人所得税・法人税)やビジネス法、倫理規範に関する問題が出題されます。
試験範囲
- 連邦税法(個人・法人・パートナーシップ)
- 税額控除・税務計画
- 移転価格税制・国際税務
- ビジネス法(契約・商取引・会社法)
- 職業倫理・税務倫理(AICPA Code of Conduct)
難易度のポイント
- 米国税制の知識が必要で、計算問題も多い
- 特に個人所得税・法人税の計算が頻出
- ビジネス法は暗記が中心
BEC(Business Environment and Concepts:ビジネス環境)
経済学、企業ガバナンス、財務管理、IT(情報システム)に関する問題が出題されます。
試験範囲
- 企業ガバナンスとリスク管理
- コスト管理・管理会計(CVP分析)
- 財務管理(キャッシュフロー、資本コスト)
- 経済学(市場構造、金利、インフレ)
- IT・システム管理(サイバーセキュリティ、データ分析)
- 業務プロセスと内部統制
難易度のポイント
- 計算問題(コスト管理・財務管理)が多い
- IT関連(ERP・データ分析)の理解が必要
- 記述問題(WC)があるため、文章力も必要
3. 試験形式と出題傾向
CPA試験は コンピュータベース(CBT) で行われ、選択式・シミュレーション・記述式の問題が含まれます。
問題タイプ | FAR | AUD | REG | BEC |
---|---|---|---|---|
MCQ(選択問題) | 50% | 50% | 50% | 50% |
TBS(シミュレーション) | 50% | 50% | 50% | 35% |
WC(記述問題) | – | – | – | 15% |
- MCQ(Multiple Choice Questions):4択の選択問題(基礎知識・理論)
- TBS(Task-Based Simulations):Excelを使ったシミュレーション問題(実務対応力)
- WC(Written Communication):記述問題(BECのみ)
試験対策
1. 試験の基本戦略
試験合格のポイント
- 計画的に学習する(18ヶ月以内に4科目合格が必要)
- 英語の会計用語に慣れる(試験はすべて英語)
- 問題演習を重視する(実践形式のTBSに慣れる)
- 自分の得意・不得意を把握する
- 短期間で集中して勉強する(ダラダラ勉強しない)
2. 科目別試験対策
FAR(財務会計)対策
試験の特徴
- 計算問題が多く、財務諸表作成や会計基準の適用が問われる
- IFRSとGAAPの違いが出題される
- 企業結合やリース会計などの応用分野が難関
対策ポイント
- 会計基準(GAAP・IFRS)を整理して覚える
- 財務諸表の作成プロセスを理解する
- 仕訳問題を繰り返し解く
- 企業結合・減損・リース・税効果会計に注力
おすすめ勉強法
- 最初に理論を理解し、演習を中心に進める
- 計算問題は手を動かして解く(TBS対策)
- 重要ポイントをまとめたノートを作成する
AUD(監査)対策
試験の特徴
- 監査プロセスや監査報告のパターンを問われる
- 内部統制やリスク評価に関する問題が出題される
- 概念的な理解が必要で、暗記だけでは解けない
対策ポイント
- 監査プロセスの流れを理解する(計画→実施→報告)
- 監査リスクの分類(固有リスク・統制リスク・発見リスク)を覚える
- 監査証拠の種類と評価方法を整理する
- 監査報告書の種類(無限定・限定・意見不表明・否定)を理解する
おすすめ勉強法
- 監査プロセスのフローチャートを作成
- 実際の監査報告書の例を読んでおく
- MCQで監査リスクの問題を繰り返し解く
REG(税法・ビジネス法)対策
試験の特徴
- 米国税法(個人所得税・法人税)が中心
- 計算問題と法律問題の両方が出題される
- 契約法・会社法などビジネス法も含まれる
対策ポイント
- 税法は計算ルールをしっかり覚える
- 個人所得税・法人税の仕組みを理解する
- 税額控除や免除制度の種類を整理する
- 契約法・商法の基本を暗記する
おすすめ勉強法
- 計算問題を繰り返し解く(特に所得税と法人税)
- 税率や控除額の暗記カードを作る
- ビジネス法は条文のポイントをまとめる
BEC(ビジネス環境)対策
試験の特徴
- IT・企業ガバナンス・財務管理が出題される
- 管理会計(コスト管理、財務比率分析)が含まれる
- 記述問題(WC)がある
対策ポイント
- IT・システム管理の用語を覚える
- コスト管理・財務管理の計算問題に慣れる
- 経済学の基礎を理解する
- 記述問題(WC)の練習をする
おすすめ勉強法
- IT関連の英単語を覚える(サイバーセキュリティ、ERPなど)
- 管理会計の計算問題を多く解く
- 記述問題のテンプレートを作成しておく
取得後に出来ること
1. CPA取得後のキャリアパス
CPA資格を取得すると、以下のような業界や職種で活躍できます。
監査法人(Big4:PwC、EY、Deloitte、KPMG)
- 監査業務(External Audit)
- 上場企業や多国籍企業の会計監査
- IFRS・GAAPを適用した財務諸表監査
- アドバイザリー(Advisory Services)
- M&A、企業再編、IPO支援
- 内部統制・リスク管理コンサルティング
CPAは監査法人でのキャリアアップに有利。国際監査基準(ISA)やSOX法対応の監査業務ができる。
外資系企業の経理・財務部門
- 経理・財務(Accounting & Finance)
- 財務諸表作成、月次・四半期決算業務
- IFRS・US GAAPを適用した財務報告
- FP&A(財務企画・分析)
- 予算管理、財務分析、KPI管理
- 戦略的な財務計画の策定
CPAを持っていると、グローバル企業の経理・財務職に強い。
コンサルティングファーム(財務・経営コンサルタント)
- M&Aアドバイザリー
- 企業買収・合併の財務デューデリジェンス
- バリュエーション(企業価値評価)
- 戦略コンサルティング
- 経営戦略の立案、コスト削減、業務改善
- ESG・サステナビリティ経営支援
CPAは財務・会計の専門知識を活かし、M&A・IPO・財務コンサル分野で活躍可能。
金融機関(投資銀行・証券・ファンド)
- 投資銀行(Investment Banking)
- M&Aアドバイザリー、IPO支援
- 企業の財務分析、資本政策の立案
- プライベート・エクイティ(PE)
- 企業買収後の財務管理、バリューアップ支援
- ファンド会計(Fund Accounting)
- ヘッジファンド、ベンチャーキャピタルの財務報告
CPAの財務分析スキルは、投資銀行やファンドの業務と相性が良い。
税務・会計事務所(税務コンサル・国際税務)
- 税務コンサルタント(Tax Consultant)
- 国際税務(移転価格税制、BEPS対応)
- 外資系企業向けの税務アドバイザリー
- 会計士事務所・税理士事務所
- 法人税・個人税の申告業務
- 会計監査、経理アウトソーシング
CPAは米国税務(IRS Enrolled Agent)と組み合わせると、国際税務の専門家として活躍できる。
スタートアップ・ベンチャー企業
- CFO(最高財務責任者)
- 企業の資金調達、資本政策の策定
- 事業計画・予算管理
- 経営管理・内部監査
- 企業ガバナンス、内部統制の構築
- 財務リスクマネジメント
CPAを持っていると、スタートアップの財務管理・経営企画の役職につきやすい。
2. CPA取得後のメリット
① 国際的なキャリアアップが可能
- CPAは米国の資格だが、日本を含めグローバルに通用する
- IFRS・US GAAPに精通しているため、海外企業や外資系企業で活躍できる
- 日本の会計士試験より短期間で取得できるため、転職にも有利
② 高収入のキャリアを目指せる
CPA資格を持つと、一般的に高収入のポジションに就きやすい。
職種 | 年収(目安) |
---|---|
Big4監査法人(アソシエイト) | 600万〜800万円 |
Big4監査法人(マネージャー) | 1,000万〜1,500万円 |
外資系企業(経理・財務) | 800万〜1,200万円 |
M&Aアドバイザー | 1,000万〜2,000万円 |
CFO(スタートアップ) | 1,200万〜3,000万円 |
監査法人、コンサルティング、投資銀行などで高年収を狙える。
③ 日本国内の資格(公認会計士・税理士)と併用可能
- 税理士との組み合わせ
- CPA+税理士資格があれば、国際税務の専門家として独立開業も可能
- 日本の公認会計士との違い
- JCPA(日本公認会計士)より短期間で取得しやすい
- 日本国内の監査法人でJCPAと同じ業務に携わることも可能
3. CPA取得後の選択肢
① 監査法人・会計事務所に就職
- Big4監査法人(PwC、EY、Deloitte、KPMG)に入社
- 会計士・税務コンサルタントとしてキャリアを積む
② 外資系企業・グローバル企業に転職
- 経理・財務、FP&A、CFO職を目指す
- 国際的な会計基準(IFRS・US GAAP)を活かす
③ コンサルティングファーム・投資銀行へ進む
- M&Aアドバイザー、財務コンサルタントとして活躍
- PEファンド、ベンチャーキャピタルの財務アナリストになる
④ 独立・開業
- 税務・会計コンサルタントとして独立
- CFO代行・経営コンサルタントとして企業支援を行う
財務・経営系資格一覧
公認会計士
税理士
中小企業診断士
簿記検定
ファイナンシャル・プランニング技能士
証券アナリスト
簿記能力検定
建設業経理検定
経営士
ファイナンシャル・プランナー
実用数学技能検定
DCプランナー
DCアドバイザー
マーケティング・ビジネス実務検定
MBA
不動産証券化協会認定マスター
モーゲージプランナー
銀行業務検定試験
BATIC(国際会計検定)
CPA(米国公認会計士)
米国公認管理会計士
米国税理士(EA)
PMP試験
CISA(公認情報システム監査人)
CIRP(サーティファイド・IRプランナー)
シニアリスクコンサルタント
ITコーディネータ資格認定制度
ファイナンシャル・リスクマネージャ
アクチュアリー資格試験
二種外務員資格試験
CIA(公認内部監査人)
CFA(CFA協会認定証券アナリスト)
ホスピタリティ検定試験
イベント業務管理者
ファシリティマネージャー
PRプランナー資格認定制度
プロジェクトマネジメント資格
VEリーダー認定試験
販売士検定
セールススキル検定試験
セールスレップ資格認定制度
販路コーディネータ資格認定制度
交渉アナリスト
CISM(公認情報セキュリティマネージャー)