IATA-FIATAディプロマ(国際航空貨物取扱士)

国際航空運送協会(IATA)と国際貨物輸送業者協会(FIATA)が共同で認定する、国際航空貨物取扱の専門資格です。

国際的に通用する資格で、航空貨物輸送業界での基礎知識・実務能力・規則理解を証明するものです。

資格の目的と意義

  • 航空貨物に関わる国際標準の知識と技能の習得
  • 貨物代理店やフォワーダー業務における正確な運用・規制理解
  • 国際物流・貿易業界における実務者のスキルアップと信頼性の証明

主催
(社)航空貨物運送協会

受験資格と難易度

受験資格

IATA認定講座の受講が必須

  • ディプロマ試験は独学での受験は不可です。
  • 必ず、IATAが認定したトレーニングセンターの講座を受講し、修了した上で試験に進む必要があります。

年齢・学歴・英語力の要件

  • 年齢:18歳以上が望ましい(制限なし)
  • 学歴:高卒以上が望ましい(実務未経験でも可)
  • 英語力:教材はすべて英語。TOEIC500~600点程度が目安。
  • 経験:航空貨物・物流業界の経験がなくても受講可能

IATA-FIATAディプロマ 試験の難易度

難易度の目安

  • 中級〜やや高め(★★★~★★★★☆)
  • 試験はすべて英語で出題され、専門用語・業界知識・運賃計算などが問われます
  • 講座の修了+十分な準備で合格は可能ですが、「英語+専門知識」の両面がハードル

合格率と学習時間

  • 合格率:60〜70%(国内受講生の目安)
  • 学習時間:150〜200時間が推奨(週5〜6時間×4〜6か月)
  • しっかりと講座を受講し、課題や模擬問題を繰り返せば対応可能です

試験内容

試験は、IATA認定の公式講座を修了後に受験できます。内容は、国際標準のIATAカリキュラムに基づいています。

試験形式

試験概要

  • 試験形式:記述式および計算問題(すべて英語)
  • 実施方法:CBT(コンピュータ試験)またはペーパーテスト(受講校による)
  • 試験時間:約3時間
  • 合格基準:70%以上の正答率(科目によって異なる)

主な出題分野と内容

航空貨物の基礎知識(Air Cargo Fundamentals)

  • 航空貨物の流れ(空港、GHA、フォワーダーの役割)
  • 航空運送状(AWB)の構成と記入方法
  • 貨物の分類と取り扱いの基本ルール
  • 航空貨物運送の国際条約(ワルソー条約、モントリオール条約など)

航空運賃と料金計算(Air Freight Rate & Charges)

  • チャージャブルウェイト(課金重量)の算出方法
  • TACT(The Air Cargo Tariff)規定に基づく運賃表の読み方
  • 重量・容積・区間による基本運賃計算
  • サーチャージ、最低料金、特別運賃の適用判断

危険物・特殊貨物の基礎(Special Cargo & DGR)

  • 危険物(DGR)の分類とラベル
  • 梱包・ラベリング・申告の正しい方法
  • ペット・生鮮食品・高価品などの取扱ルール
  • IATA Dangerous Goods Regulations の概要

貿易・通関実務(Customs and Trade Practice)

  • 貿易書類の役割(インボイス、パッキングリスト、B/L、AWB)
  • 税関手続、輸出入規制の基本
  • 原産地証明、貨物保険、支払い条件(インコタームズ)
  • 航空輸送と通関の関連手続

航空業界の実務英語(Professional English in Air Cargo)

  • 貨物予約、確認メール、運賃交渉の英文表現
  • 規定書やマニュアルに使用される英語表現
  • 現場でのやり取りを想定した読解・記述力

試験の評価ポイント

  • 英語での理解力(長文問題もあり)
  • 計算問題の正確さとスピード
  • ルール適用の判断力(複数条件から最適解を選ぶ)
  • 実務的な応用力(運賃表・AWB記入・ラベル判別など)

試験対策

英語対策

専門英語を重点的に覚える

  • AWB(航空運送状)やULD(搭載機材)などの略語と意味を覚える
  • IATA用語集や講座テキストのGlossary(用語集)を活用
  • 英語表現の例:「Pre-alert」「Chargeable weight」「Routing」など

英文問題文の読み方を工夫する

  • 英文を全部訳すのではなく、設問の主語とキーワードだけ拾う訓練
  • 長文問題は「What is the correct charge?」などの問いに注目

理論対策

航空貨物の流れと実務の理解

  • GHA(地上業務会社)やフォワーダーの役割を図解で把握
  • 航空貨物の流れ(ブッキング→搬入→輸送→通関→配送)を時系列で整理

貿易・通関の基本を押さえる

  • インボイス・パッキングリスト・通関申告など貿易実務の基本書類を確認
  • 通関関連は初学者向けテキストや日本語の参考書で補うと理解が深まります

実践対策(計算・書類問題)

運賃計算のパターン練習

  • Chargeable Weight(課金重量)の算出法を暗記
  • TACTレート表の読み方(M、N、Qレートなど)を実践で繰り返す
  • 単位換算(kg・lb・cm・inch)を素早くできるようにする

AWBの記入・読解練習

  • フィールドごとの意味(Shipper, Consignee, Nature of Goodsなど)を暗記
  • 書類のサンプルを何度も記入し、記入ルールを体得

模擬試験と弱点補強

模擬問題の活用

  • 講座に付属しているサンプル試験問題を時間を計って解く
  • 間違えた問題は「なぜ誤ったか」を整理し、関連項目に戻って復習

弱点ノートの作成

  • 自分専用の「間違えた英単語集」「運賃計算ミス集」などを作る
  • 試験前2週間はこのノートを中心に復習

取得後に出来ること

航空貨物・フォワーダー業界で活躍できる

国際物流会社・航空貨物代理店への就職・昇格

  • フォワーダー(国際輸送業者)での航空貨物部門配属に有利
  • 航空会社・GSA(総代理店)での貨物オペレーション職に活用
  • 現場作業員からカスタマーサポート・運賃計算担当・営業職へのキャリアアップ

航空会社でのキャリアに直結

  • IATA加盟の航空会社において、国際標準の知識を持つ人材として高く評価
  • 国際空港での貨物業務(チェックイン、貨物搭載、ブッキングなど)にも対応可能

国際的な認知度で転職・海外就職に強い

グローバル資格として履歴書でアピール

  • 海外企業や外資系ロジスティクス会社でも「IATA資格保持者」として信頼性が高い
  • 英語力+専門知識の両方を証明できるため、海外駐在・貿易実務職での評価ポイント

転職活動での活用

  • 求人票に「IATAディプロマ保持者歓迎」「航空貨物経験者優遇」と記載されるケース多数
  • 輸出入業務・ロジスティクス・国際営業・貿易事務への転職に強力な武器となります

危険物取扱資格や他資格との連携も可能

DGR(危険物規則)との相乗効果

  • IATAディプロマ取得者はIATA DGR資格(危険物取扱)への挑戦にもスムーズに進める
  • 組み合わせることで、特別貨物・化学品・医療品など高単価貨物の専門担当としての信頼が高まる

通関士・貿易実務検定とのダブル資格に最適

  • 通関・輸出入書類作成・INCOtermsの理解などの知識と組み合わせることで、多機能人材として活躍可能

企業内での評価・昇格・専門職化

社内資格認定や昇格基準になる企業も

  • 一部の航空貨物関連企業では、IATAディプロマ取得を主任・リーダー職への昇進要件とする例あり
  • 社内教育制度での取得支援(学費補助など)対象になることも

新人教育や社内研修の講師としても活用

  • IATAの国際基準に基づいた知識を持つ人材として、後輩の教育・社内マニュアル作成にも貢献可能

活躍できる職場の例

業界・職種 具体的な業務例
航空会社 貨物予約、AWB発行、輸送調整、オペレーション
フォワーダー 国際輸送手配、輸出入業務、料金交渉、DGR対応
貿易商社 航空便での輸送手段選定、物流コスト計算
空港現業 積載調整、ULD管理、通関・書類確認
外資系企業 国際物流管理、海外支店との貨物調整・契約交渉

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