小学校で英語を教える指導者を育成・認定する資格です。正式名称は「小学校英語指導者資格」で、NPO法人 小学校英語指導者認定協議会(J-SHINE)が認定しています。
この資格を取得すると、小学校の英語活動をサポートする指導者として活動できます。特に、小学校の「外国語活動」や「外国語科」で、教師の補助役(サポートティーチャー)や外部講師として働く機会が増えます。
■主催
NPO法人小学校英語指導者認定協議会(J-SHINE)
目次
受験資格と難易度
J-SHINE資格の受験資格
J-SHINEには、特別な受験資格(学歴・年齢・職歴など)はありません。誰でも受講して資格取得を目指すことができます。
ただし、資格取得にはJ-SHINE認定の養成講座の受講が必須です。認定講座は、大学、英語スクール、通信講座などで受けることができます。
- 英語教育未経験者でもOK!
- 英語力の証明(TOEIC・英検など)は不要!
- 小学校教員免許がなくても取得可能!
J-SHINE資格の難易度
J-SHINEは、特定の試験を受けて合格する資格ではなく、所定の講座を受講し、必要な実習を修了すれば取得できる資格です。そのため、「試験の合否で決まるタイプの資格」と比べると難易度は低めです。
しかし、実習が必須であり、指導経験が求められるため、単に知識を学ぶだけではなく、実際の指導スキルを身につける必要があります。
資格取得の難易度を決める要因
- 英語力が一定以上必要(目安としてTOEIC600点以上、英検準2級~2級程度があると有利)
- 児童教育の知識が必要(未経験でも講座で学べる)
- 指導実習を20時間以上行う必要がある(現場経験が求められる)
難易度の目安
資格 | 難易度 | 取得までの期間 |
---|---|---|
J-SHINE(標準資格) | ★★☆☆☆(中程度) | 約3ヶ月~半年 |
J-SHINE(上級資格) | ★★★☆☆(やや難しい) | 1年以上(標準資格+追加研修) |
標準資格は比較的取得しやすいが、上級資格は高度な指導力が求められるため難易度が高め。
試験内容
J-SHINE資格取得の流れ
1. 認定講座の受講(必須)
J-SHINEの資格を取得するには、J-SHINE認定の養成講座を受講 しなければなりません。講座では、小学校英語教育の理論と実践的な指導スキル を学びます。
講座の主な内容
項目 | 学習内容 |
---|---|
児童心理学 | 子どもの発達段階に応じた指導法 |
小学校英語教育の基礎 | 日本の小学校英語教育の現状と指導法 |
指導方法(教授法) | TPR(Total Physical Response)、フォニックス、チャンツなどの指導技術 |
教材研究 | フラッシュカード、絵本、歌、ゲームの活用方法 |
授業の組み立て方 | 効果的なレッスンプランの作成方法 |
英語の発音指導 | 子ども向けにわかりやすく教える発音指導 |
講座の受講時間は、50時間以上が基本 ですが、機関によって異なります。
2. 指導実習の実施(必須)
講座修了後、小学校や英会話スクールなどで20時間以上の指導実習 を行う必要があります。
実習は、小学校、学習塾、英会話スクール、学童施設などで行うことが可能 です。
3. 資格申請と認定
講座と実習を修了したら、J-SHINEに資格申請を行います。申請後、審査に通れば「小学校英語指導者資格」として認定されます。
申請時に必要な書類:
- 認定講座の修了証明書
- 指導実習の記録(20時間以上)
- 申請書類
試験対策
認定講座の対策
J-SHINEの養成講座では、児童英語教育の基礎から指導技術まで幅広く学びます。
児童心理学と発達段階の理解
- 子どもの発達段階に応じた学習方法を学ぶ(年齢別の特徴を知る)
- 幼児と小学生で異なる指導アプローチを理解する
英語指導法(教授法)の習得
- 児童英語指導でよく使われる教授法を学ぶ
- TPR(Total Physical Response) … 身体を使って英語を覚える
- フォニックス(Phonics) … 英語の発音ルールを学ぶ
- チャンツ(Chants) … リズムを使って英語を覚える
レッスンプランの作成
- 小学校英語の授業構成を学ぶ
- ウォームアップ → メインアクティビティ → まとめ
- 実際にレッスンプランを作成してみる
教材・アクティビティの活用
- 英語絵本、歌、ゲームを使った指導法を学ぶ
- 実際にフラッシュカードや歌を使って練習する
指導実習の対策
J-SHINE資格取得には、小学校や英語スクールで20時間以上の指導実習が必須です。実習をスムーズに進めるためには、事前準備が大切です。
実習前の準備
- 事前に 模擬授業を行い、指導方法を練習する
- 使う教材(カード、絵本、歌など)を準備する
- 授業の進行表(レッスンプラン)を作成し、流れを確認する
実習中のポイント
- 明るく大きな声で話し、子どもを引きつける
- シンプルな英語を使い、ジェスチャーを交えて伝える
- 子どもが楽しめるアクティビティを積極的に取り入れる
実習後の振り返り
- 実習のフィードバックをしっかり受け、改善点を把握する
- 指導の記録をつけ、今後の指導に活かす
取得後に出来ること
小学校での英語指導(サポートティーチャー)
公立・私立の小学校で、英語の授業をサポートできるようになります。
主な役割
- 担任の先生を補助(アシスタントティーチャーとして活動)
- ALT(外国語指導助手)と連携して授業を行う
- 歌・ゲーム・アクティビティを活用した指導
- 発音や英会話の実践練習を担当
J-SHINEだけで「小学校の正規教員」にはなれない
J-SHINE資格のみでは、小学校の正規教員(担任)にはなれません。
ただし、「外部講師」として学校と契約し、授業を担当するケースはあるため、教育現場での活躍のチャンスは広がります。
英会話スクールや学習塾の講師
J-SHINE資格があると、子ども向けの英語スクールや塾の講師として採用されやすくなります。
活かせる職場
- 子ども向け英会話スクール(AEON Kids、ECCジュニアなど)
- 学習塾の英語コース(早稲田アカデミー、Z会など)
- プリスクール(英語保育園)
具体的な業務
- 3~12歳の子どもに英語を指導
- 英語の絵本やカードを使ったレッスン
- 発音指導や英会話トレーニング
フリーランス英語講師(自宅・オンラインで教える)
J-SHINE資格を活かして、個人で英語を教えることも可能です。
できること
- オンライン英会話講師(ZoomやSkypeで個別指導)
- 家庭教師として英語を教える(小学生向けの英語指導)
- 地域の英語教室を開く(自宅や公民館などでレッスンを開催)
特に需要が高いのは、オンライン英会話です。英語を習わせたい家庭が増えているため、自宅で仕事ができる選択肢としても魅力的です。
海外での児童英語教育(インターナショナルスクール・現地校)
J-SHINE資格があると、海外での英語指導にも活かせます。
活かせる場所
- 海外の日本人学校や補習校の英語講師
- インターナショナルスクールのアシスタントティーチャー
- 現地の幼稚園・小学校で英語を教える(国によっては要教員免許)
特に需要がある国
- アジア圏(中国、タイ、ベトナムなど) → 日本人学校や英語スクールでの求人が多い
- 欧米(アメリカ、カナダ、オーストラリア) → インターナショナルスクールや現地校の補助教員
キャリアアップの選択肢が広がる
J-SHINE資格を取得した後、さらにスキルアップしてキャリアを伸ばすことも可能です。
1. 小学校教員免許を取得し、正式な教員になる
J-SHINE資格だけでは、小学校の正規教員にはなれませんが、教員免許を取得すれば、小学校で正式に英語の授業を担当できるようになります。
教員免許を取得する方法
- 大学の教育学部で小学校教員免許を取得する
- 通信制大学(放送大学など)で教員免許を取得する
2. 児童英語の専門資格を取得し、専門家として活動
J-SHINE資格を基礎として、さらに高度な英語教育資格を取得すると、より専門的な仕事に挑戦できます。
おすすめの資格
資格 | 特徴 |
---|---|
TESOL(英語教授法) | 世界的に認められた英語指導の資格 |
TKT(Teaching Knowledge Test)YL | ケンブリッジ大学の児童英語指導資格 |
英検準1級・TOEIC 800点以上 | 英語力の証明として有利 |
J-SHINE資格+TESOLやTKTを取得すれば、国際的な英語教育の仕事にもつながります。
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