JTFほんやく検定

日本翻訳連盟(JTF:Japan Translation Federation)が主催する翻訳スキルを測る試験です。

実務翻訳者を対象にした検定で、翻訳の品質や専門知識を客観的に評価することを目的としています。

試験の特徴

  • 対象分野: 実務翻訳(ビジネス文書、特許、医薬、ITなど)
  • 言語ペア: 日本語 ⇔ 英語(その他の言語はなし)
  • レベル: 1級〜5級までの5段階

レベルと評価基準

  • 1級(最上級): プロとして即戦力になるレベル
  • 2級: 実務経験者向けで、プロとして通用するレベル
  • 3級: 翻訳業務に必要な基礎力を持つレベル
  • 4級: 翻訳の基本を理解しているが、プロとしては未熟なレベル
  • 5級(入門): 翻訳の基本的な知識を問うレベル

1級・2級を取得すると、プロの翻訳者としての証明になり、仕事のチャンスが広がる可能性があります。

主催
(社)日本翻訳連盟

受験資格と難易度

受験資格

JTFほんやく検定には、特別な受験資格はありません。
・年齢、学歴、職業に関係なく、誰でも受験可能
・プロの翻訳者だけでなく、翻訳学習中の人や未経験者も受験できる
・1級と2級は実技試験があるため、高度な翻訳スキルが求められる

難易度(級ごとのレベル)

1級(最上級)【非常に難しい】
・プロの翻訳者として即戦力となるレベル
・専門知識や高度な表現力が求められる
・合格率は10%前後と低く、実務経験者でも難易度が高い

2級(上級)【難しい】
・プロの翻訳者として十分なスキルがあると認められるレベル
・誤訳をしないだけでなく、自然で流れるような翻訳が求められる
・実務経験1〜2年程度が目安

3級(中級)【やや難しい】
・翻訳の基礎力はあるが、まだプロとしては未熟なレベル
・文法、語彙、リサーチ力などが問われる
・翻訳学習者や未経験者が目指す目標として適している

4級(初級)【比較的易しい】
・翻訳の基本を理解しているレベル
・実務経験は不要だが、翻訳の学習経験があることが望ましい
・基礎的な文法ミスや誤訳を減らすことが合格のポイント

5級(入門)【初心者向け】
・翻訳の基本的な知識を問うレベル
・未経験者でも試験対策をすれば合格可能
・翻訳を学び始めたばかりの人向け

どの級を受けるべきか

・翻訳未経験者や初心者は、まず5級または4級を目指す
・翻訳を勉強中の人は3級に挑戦するとよい
・翻訳を仕事にしたい場合、2級以上を取得すると有利
・すでに翻訳者として活動している人は、1級に合格するとスキルの証明になる

試験内容

試験の構成

JTFほんやく検定は**一次試験(筆記)と二次試験(実技)**で構成されています。

  • 1級・2級 → 一次試験(筆記)+二次試験(翻訳実技)
  • 3級以下 → 一次試験(筆記)のみ

一次試験(筆記試験)

形式: 選択式(一部記述式の場合あり)
時間: 60分(級によって異なる)

筆記試験では、翻訳の基本的な知識や文法、語彙、リサーチ力を問う問題が出題されます。

出題内容(共通)

  1. 翻訳理論と知識

    • 正確な訳を作るための知識(文脈理解、文化的背景など)
    • 翻訳技法や誤訳を防ぐ方法
  2. 文法・表現力

    • 適切な文法・語彙の選択
    • 自然な日本語または英語表現
  3. リサーチ力

    • 翻訳で必要な調査のスキル
    • 適切な用語の選択
  4. 誤訳・不適切な訳の指摘

    • 文章の中にある誤訳や不自然な表現を見つける問題
  5. 簡単な翻訳問題(3級以下)

    • 短い文章を翻訳する問題

二次試験(翻訳実技試験)(1級・2級のみ)

形式: 記述式(実際に翻訳を行う)
時間: 90分(級によって異なる)

実際に日本語→英語、英語→日本語の翻訳を行い、その精度や表現力が評価されます。

出題内容

  • ビジネス文書や専門分野の文章を翻訳(例: IT、医薬、特許、金融など)
  • 誤訳や意味の取り違えがないか
  • 文章の流れが自然であるか
  • 適切な用語や表現が使われているか

試験対策

級別の対策ポイント

5級・4級(入門・初級レベル)

対策ポイント:

  • 翻訳の基本知識を学ぶ(誤訳を防ぐ方法、訳し方のルールなど)
  • 文法・語彙を強化する(英語・日本語の基礎力を磨く)
  • 簡単な翻訳演習を行う(短文を訳し、自然な表現を意識する)
  • 誤訳や不自然な訳を見つける練習(過去問題や例題を解く)

オススメの学習方法:

  • 英語のニュース記事や短文を日本語に訳す練習
  • 「The Japan Times」や「NHK World」の英語記事を読んで和訳
  • 基本的な翻訳のルールを学べる書籍を活用

3級(中級レベル)

対策ポイント:

  • 翻訳の基本スキルを実践レベルまで引き上げる
  • リサーチ力を強化する(適切な用語や表現を調べる力をつける)
  • 翻訳の品質を上げるために、意味の取り違えを防ぐ
  • ビジネス文書の翻訳を練習する(契約書、報告書、マニュアルなど)

オススメの学習方法:

  • 実際のビジネス文書を翻訳し、自然な表現を身につける
  • 翻訳関連の書籍(「実務翻訳の基礎」など)を活用
  • 用語集を作成し、専門的な語彙に慣れる

2級(上級レベル)

対策ポイント:

  • 実務翻訳のスキルを高める(誤訳を減らし、正確で自然な訳にする)
  • 専門分野の翻訳に慣れる(IT、医薬、法律、特許など)
  • 翻訳スピードと正確性を上げる(実技試験では制限時間内に仕上げる力が必要)
  • 自然な訳文を意識する(直訳ではなく、意味が伝わる訳を心がける)

オススメの学習方法:

  • 実務翻訳の演習(特に契約書、マニュアル、ニュース記事の翻訳)
  • 翻訳会社のトライアル問題を解いてみる
  • 翻訳メモリ(CATツール)を活用して、用語統一の練習をする

1級(最上級レベル)

対策ポイント:

  • 高度な翻訳スキルを身につける(ネイティブレベルの表現力が求められる)
  • 専門知識を深める(業界用語、法律・特許文書のフォーマットを理解する)
  • 翻訳のニュアンスを磨く(意訳と直訳のバランスを取る)
  • リサーチ力を極める(辞書だけでなく、論文や専門書を参考にする)

オススメの学習方法:

  • 過去に実務翻訳で使われた文書を練習問題として訳す
  • 翻訳者向けのトレーニング教材を活用(「翻訳者のための英語スタイルブック」など)
  • 実際にプロの翻訳者として仕事をこなしながらスキルアップする

実践的な学習方法

(1) 直訳を避け、自然な訳を意識する

  • 機械翻訳のような直訳ではなく、文脈に合った訳を考える
  • 日本語→英語、英語→日本語の両方で「読んで違和感のない訳」を目指す

(2) 語彙力と専門知識を増やす

  • IT、医薬、法律、ビジネスなどの専門分野の用語を学ぶ
  • 日英のニュース記事や論文を読んで、専門的な言い回しを学ぶ

(3) 用語集を作成する

  • よく使われる専門用語や表現をリストアップ
  • CATツール(Trados、Memsource など)を活用し、用語の統一を図る

(4) リサーチ力を鍛える

  • 用語の正しい訳を調べる習慣をつける
  • 公式文書や専門機関の資料を参考に、信頼できる情報を活用

(5) 過去問や模擬試験を活用する

  • 公式の過去問題を解いて、試験形式に慣れる
  • 制限時間を設けて実際の試験と同じ条件で練習する

おすすめの教材・ツール

翻訳の基礎を学ぶための書籍

  • 『実務翻訳の基礎』
  • 『翻訳の技術』
  • 『英語スタイルブック』

翻訳の練習に役立つサイト

  • The Japan Times(英語ニュース)
  • NHK World(英語と日本語の記事を比較できる)
  • 特許庁の公式英訳サイト(特許翻訳の参考になる)

翻訳ツール

  • Linguee(用例検索に便利)
  • DeepL(翻訳の参考に)
  • Trados、Memsource(プロの翻訳者が使うツール)

取得後に出来ること

翻訳の仕事に活かせる

(1) フリーランス翻訳者として活動する

JTFほんやく検定の2級・1級を取得すると、フリーランス翻訳者としての信頼性が高まり、翻訳会社のトライアルに合格しやすくなります。

  • 翻訳会社やクラウドソーシングで仕事を受注しやすくなる
  • 「JTFほんやく検定◯級取得」とプロフィールに記載することで、実力の証明になる
  • 実務翻訳(ビジネス文書、契約書、特許、医薬、ITなど)の案件に応募できる

(2) 翻訳会社に就職・登録する

翻訳会社によっては、JTFほんやく検定の2級以上を取得していると、採用や登録時に有利になる場合があります。

  • 未経験者でも、2級以上を取得していれば応募できる場合がある
  • 翻訳アシスタントや校正者として働くチャンスが広がる

(3) 副業として翻訳の仕事をする

翻訳を本業にしなくても、副業で翻訳の仕事をすることも可能です。

  • クラウドソーシング(ランサーズ、クラウドワークス、Upwork など)で翻訳案件を受ける
  • 在宅で好きな時間に仕事ができる

キャリアアップやスキルアップにつながる

(1) より高度な翻訳資格の取得につなげる

JTFほんやく検定の取得後、さらに上級の翻訳資格を目指すことができます。

  • JTFほんやく検定1級取得 → 翻訳者としての信頼性が向上
  • 2級取得後 → 実務経験を積んで「翻訳者資格試験(JTA)」「翻訳実務士」などの資格に挑戦

(2) CATツールを使った翻訳に挑戦する

プロの翻訳者は、CATツール(Trados、MemoQ、Memsource など)を使うことが一般的です。JTFほんやく検定取得後に、これらのツールの使い方を学ぶことで、より専門的な案件に対応できるようになります。

(3) 専門分野の翻訳に挑戦する

JTFほんやく検定を取得した後は、自分の得意な専門分野を磨いて、特許翻訳、医薬翻訳、IT翻訳など高単価な案件に挑戦できます。

履歴書や職務経歴書に記載できる

JTFほんやく検定は、日本翻訳連盟(JTF)が主催する試験なので、履歴書や職務経歴書に記載できる資格です。

  • 翻訳関連の職種に応募する際、アピールポイントになる
  • 企業の海外部門や貿易関係の仕事で評価されることがある

海外企業との取引や社内翻訳に活かせる

JTFほんやく検定の知識やスキルは、翻訳の仕事だけでなく、以下のような職業にも役立ちます。

  • 貿易会社の海外取引担当者 → 契約書やビジネスメールの翻訳に活用
  • 外資系企業の社内翻訳者 → 社内資料やマニュアルの翻訳に活用
  • 研究者・技術者 → 海外の論文や技術資料の翻訳に活用

翻訳スクールや講師の仕事につながる

JTFほんやく検定の1級を取得すると、翻訳スクールの講師や、翻訳の指導者として活動することも可能です。

  • 翻訳学校やオンライン講座で講師をする
  • 翻訳の添削や指導の仕事をする

語学系資格一覧

通訳案内士
翻訳実務士資格
JTFほんやく検定
知的財産翻訳検定
TOEIC Bridge
TOEIC
TOEIC Speaking & Writing
ケンブリッジESOL英語検定試験
TOPEC
工業英語能力検定試験
SST(スタンダードスピーキングテスト)
TSST
TEP TEST
TOEFL
ACT
SAT
GRE
GMAT
IELTS
全養協日本語教師検定
J-SHINE(小学校英語指導者資格)
日本語教育能力検定試験
中国語検定
ビジネス中国語検定
スコア式ビジネス中国語検定試験
新HSK(漢語水平考試)
世界韓国語認証試験(KLPT)
インドネシア語技能検定試験
タイ語検定試験(TAEC)
ハングル能力検定
実用タイ語検定試験
実用イタリア語検定
スペイン語技能検定
DELE(スペイン文部省認定証)
ドイツ語技能検定試験
フランス語能力認定試験(TEF)
実用フランス語技能検定
ロシア語能力検定
観光英語検定試験

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)