ORACLE MASTER(オラクルマスター)

日本オラクルが認定するデータベース技術者向けの資格です。Oracle Databaseの運用や管理、開発に関するスキルを証明する資格で、日本国内で広く認知されています。

ORACLE MASTERの資格レベル

ORACLE MASTERには、以下の4つのレベルがあります。

  1. Bronze(ブロンズ)

    • Oracle Databaseの基本的な知識を持つことを証明
    • SQLの基礎やデータベースの基本概念を学習
    • ITエンジニア初心者向け
  2. Silver(シルバー)

    • データベースの管理や運用に関する知識を証明
    • バックアップ、リカバリ、ユーザー管理などのスキルを習得
    • データベース管理者(DBA)としての基礎を築く
  3. Gold(ゴールド)

    • より高度なデータベース管理やチューニングのスキルを証明
    • 企業の基幹システムの管理に必要な知識を習得
    • Oracle Databaseの高度な機能を活用できるレベル
  4. Platinum(プラチナ)

    • ORACLE MASTERの最上位資格
    • 実技試験を含む厳しい試験をクリアする必要がある
    • 大規模データベースの設計・管理・運用が可能なエキスパート

主催
日本オラクル(株)

受験資格と難易度

受験資格

ORACLE MASTERの各レベルには、特別な受験資格はありません。誰でも試験を受けることができます。ただし、上位の資格を受験するためには、下位の資格を取得している必要があります。

  • Bronze(ブロンズ):誰でも受験可能
  • Silver(シルバー):Bronze取得が必須
  • Gold(ゴールド):Silver取得が必須
  • Platinum(プラチナ):Gold取得が必須+実技試験あり

つまり、いきなりGoldやPlatinumを受験することはできず、段階的に資格を取得していく必要があります。

難易度

ORACLE MASTERは、レベルが上がるごとに試験の難易度も高くなります。

Bronze(ブロンズ):★★☆☆☆(やや易しい)

  • IT初心者でも挑戦可能
  • SQLの基礎知識やデータベースの基本概念を理解していれば合格可能
  • 難易度は比較的低めで、独学でも合格可能

Silver(シルバー):★★★☆☆(普通~やや難しい)

  • データベースの管理や運用に関する知識が必要
  • バックアップ、リカバリ、ユーザー管理などの実務的なスキルを問われる
  • 実務経験があると有利だが、独学でも対策すれば合格可能

Gold(ゴールド):★★★★☆(難しい)

  • データベースの高度な管理やチューニングの知識が必要
  • 実務経験がないと難しく、独学だけでは厳しいこともある
  • Oracle公式の研修を受講すると試験免除の特典がある(※詳細は公式サイトを確認)

Platinum(プラチナ):★★★★★(非常に難しい)

  • 最上位資格で、実技試験も含まれるため難易度が高い
  • Oracle Databaseの設計・運用に関する深い知識が求められる
  • 実務経験がほぼ必須で、研修を受けるケースが多い

合格率と勉強時間の目安

資格レベル 合格率(目安) 勉強時間(目安)
Bronze 約60~70% 1~2ヶ月(初心者)
Silver 約50~60% 2~3ヶ月
Gold 約40~50% 3~6ヶ月
Platinum 非公開(難関) 6ヶ月~1年以上

試験内容

ORACLE MASTER Bronze(ブロンズ)

試験科目

  • 「Oracle Database SQL 基礎」(試験番号: 1Z0-071)
  • 「Oracle Database Administration」(試験番号: 1Z0-082)

試験内容

(1) Oracle Database SQL 基礎(1Z0-071)
主にSQLの基本的な知識を問われる試験です。

  • データの問い合わせ(SELECT文)
  • 集約関数とグループ化(GROUP BY, HAVING)
  • サブクエリと結合(JOIN, EXISTS, IN)
  • データの挿入・更新・削除(INSERT, UPDATE, DELETE)
  • データベースオブジェクト(テーブル、ビュー、インデックス、シノニムなど)

(2) Oracle Database Administration(1Z0-082)
データベース管理の基礎を問う試験です。

  • Oracle Databaseのアーキテクチャ
  • インスタンス管理(メモリ構成、プロセス管理)
  • ユーザーと権限管理(CREATE USER, GRANT, REVOKE)
  • バックアップとリカバリの基礎
  • Oracle Networkの基本設定

Bronzeは、データベース初心者向けの試験内容となっています。

ORACLE MASTER Silver(シルバー)

試験科目

  • 「Oracle Database Administration II」(試験番号: 1Z0-083)

試験内容

Silverでは、データベースの管理や運用に関するより実践的な内容が問われます。

  • Oracle Databaseのインストールと構成
  • Oracle Grid Infrastructureの概要
  • ユーザー管理と権限の詳細(ロール管理、リソース制限)
  • バックアップとリカバリ(RMANの使用、フラッシュバック機能)
  • Oracle Multitenant(PDBとCDBの管理)
  • データの移行(Data Pump, Transportable Tablespaces)
  • SQL Performance Tuning(統計情報、索引、SQLプロファイル)

Silverは、基本的なDBA業務をこなせるレベルの試験となります。実務経験があると有利ですが、しっかりと勉強すれば独学でも合格できます。

ORACLE MASTER Gold(ゴールド)

試験科目

  • 「Oracle Database Performance Management and Tuning」(試験番号: 1Z0-084)

試験内容

Goldでは、パフォーマンスチューニングや高度なデータベース管理が問われます。

  • データベースのパフォーマンス管理
  • SQLチューニングの詳細(SQLトレース、実行計画の解析、ヒントの使用)
  • Oracle Optimizerの理解とチューニング
  • メモリチューニング(SGA、PGA、Buffer Cacheの最適化)
  • パーティショニングの最適化
  • 高可用性(Data Guard, Flashback, Redo Log管理)
  • ASM(Automatic Storage Management)の設定と管理
  • 監査とセキュリティ(監査ログの管理、データの暗号化)

Goldは、Oracle Databaseの高度な運用管理ができることを証明する試験で、難易度は高めです。実務経験がないと合格は厳しく、公式研修を受けることで試験が免除される場合もあります。

ORACLE MASTER Platinum(プラチナ)

試験科目

  • 実技試験(ハンズオン試験)

試験内容

Platinumは、Goldの取得が必須であり、さらに高度なデータベース管理能力を証明する試験です。試験は通常の選択式ではなく、実際にOracle Databaseを操作して問題を解決するハンズオン形式です。

  • データベースの障害対応(クラッシュリカバリ、ブロック破損対応)
  • Data Guardの設定と運用
  • Real Application Clusters(RAC)の設定と運用
  • SQLの高度な最適化
  • 大規模データベースのパフォーマンスチューニング
  • 監査ポリシーとセキュリティの高度な設定

Platinumは、実務経験がなければ合格が難しく、試験対策として公式研修を受講する人が多いです。試験の費用も高額で、企業が社員向けに取得を支援することが多い資格です。

試験対策

ORACLE MASTER Bronze(ブロンズ)試験対策

SQLを実際に書いて学ぶ

SQLの試験では、理論を覚えるだけでなく実際に書いて試すことが重要です。以下の方法を活用すると効果的です。

  • Oracle Live SQL(ブラウザ上でSQLを実行できる公式ツール)
  • Oracle Database Express Edition(XE)をPCにインストールして練習

問題集を繰り返し解く

  • 公式の「試験ガイド」や「サンプル問題」を活用
  • 市販の問題集を解きながら、出題傾向を把握

ORACLE MASTER Silver(シルバー)試験対策

バックアップとリカバリを重点的に学ぶ

Silver試験では、特にRMAN(Recovery Manager)を活用したバックアップとリカバリが重要です。以下の対策を行いましょう。

  • 実際にRMANコマンドを使ってバックアップを取得し、リストア・リカバリを試す
  • データベースのクラッシュを想定し、リカバリ手順を実践

実機環境での演習

  • VirtualBoxを使い、Linux上にOracle Databaseをインストールして練習
  • 実際にユーザー作成、権限付与、データの移行などを試す

試験対策問題集の活用

  • 過去問や模擬試験を解いて、出題傾向に慣れる

ORACLE MASTER Gold(ゴールド)試験対策

SQLチューニングの実践

SQLチューニングの問題が多く出題されるため、以下の対策を行う。

  • EXPLAIN PLANを使用し、SQLの実行計画を分析する
  • SQL ProfileやSQL Plan Baselineの適用方法を学ぶ

メモリ管理と高可用性の理解

  • SGA(System Global Area)とPGA(Program Global Area)の構成を理解し、最適化方法を学ぶ
  • Data Guardを設定し、データベースのレプリケーションを試す

公式研修の受講も検討

  • Oracleの公式トレーニングを受けることで、試験免除の制度がある
  • 独学が難しい場合は、企業の研修制度を活用する

ORACLE MASTER Platinum(プラチナ)試験対策

実機演習を重視

Platinum試験はハンズオン(実技試験)形式のため、実際のOracle環境で練習することが必須。

  • クラスタ構成(RAC)のセットアップを行う
  • Data Guardを構築し、障害時の復旧をシミュレーションする
  • 複数のバックアップ手法を試し、リカバリ方法を習得する

企業のサポートを活用

Platinumは試験費用が高額で難易度も高いため、企業の研修制度を利用しながら挑戦するのが一般的。

取得後に出来ること

ORACLE MASTER Bronze(ブロンズ)取得後にできること

  • SQLを活用したデータの操作(SELECT、INSERT、UPDATE、DELETE など)
  • テーブルやビューの作成、データの抽出・加工
  • 基本的なデータベース設計やリレーショナルデータベースの理解
  • データベース管理の基本操作(ユーザー管理、簡単な権限設定)

活躍できる職種

  • システムエンジニア(SE)(特にデータベースを扱う開発業務)
  • プログラマー(SQLを使ったアプリ開発)
  • データアナリスト補助(データの抽出・集計業務)

次のステップ

  • Silverの取得を目指す(より実践的なデータベース管理スキルを習得)
  • SQLをさらに深く学び、パフォーマンスの最適化を意識する

ORACLE MASTER Silver(シルバー)取得後にできること

  • Oracle Databaseの基本的な運用管理(インストール、設定、監視)
  • ユーザーと権限の管理(アカウント作成、ロール・プロファイル設定)
  • データベースのバックアップとリカバリ(RMANを活用)
  • パフォーマンス監視と基本的なチューニング
  • データ移行(Data Pump、Export/Importの活用)

活躍できる職種

  • データベース管理者(DBA)(中小規模のシステム運用)
  • システムエンジニア(SE)(データベースを利用するシステムの設計・開発)
  • クラウドエンジニア(Oracle CloudやAWS RDS for Oracleの管理)

次のステップ

  • Goldの取得を目指す(より高度なデータベースチューニング・管理技術を習得)
  • 実務での運用経験を積み、パフォーマンスチューニングやセキュリティ設定を学ぶ

ORACLE MASTER Gold(ゴールド)取得後にできること

  • 大規模データベースの管理とチューニング(SQL最適化、インデックス設計)
  • 高可用性の設計と運用(Data Guard、Flashback、Redo Log管理)
  • ASM(Automatic Storage Management)の設定と管理
  • SQLチューニングとパフォーマンス最適化
  • セキュリティ管理(監査設定、データ暗号化)

活躍できる職種

  • 上級データベース管理者(DBA)(大規模なシステムの運用・管理)
  • システムアーキテクト(データベースの設計・最適化)
  • ITコンサルタント(企業のデータベース最適化を支援)
  • クラウドエンジニア(AWS RDS for Oracle, Oracle Cloudの設計・運用)

次のステップ

  • Platinumの取得を目指す(最高レベルのDBAとしてのスキルを証明)
  • クラウドやビッグデータの領域に挑戦(AWS, GCP, Oracle Cloudの活用)

ORACLE MASTER Platinum(プラチナ)取得後にできること

  • 大規模システムの設計・運用・最適化
  • Oracle Real Application Clusters(RAC)の導入・管理
  • Data Guardを活用した災害復旧(DR)システムの構築
  • SQLの高度な最適化とパフォーマンスチューニング
  • クラウド環境でのOracle Databaseの最適化と運用(Oracle Cloud, AWS, GCP)
  • 企業のデータベース戦略の立案・実行

活躍できる職種

  • シニアデータベースアーキテクト(エンタープライズシステムの設計・運用)
  • CTO / ITマネージャー(企業のITインフラ戦略を担う)
  • クラウドエンジニア(Oracle Cloud, AWS, Azure)
  • ITコンサルタント(データベース・クラウド領域)

次のステップ

  • グローバル資格(Oracle Certified Professional, AWS Database Specialty)を取得
  • AI・機械学習など、データ活用の領域に挑戦

ORACLE MASTER 取得のメリット

キャリアアップ・転職に有利

  • データベース管理者(DBA)やクラウドエンジニアとしてのスキルを証明できる
  • Silver以上を持っていると、データベース関連の求人で優遇される
  • Gold以上を取得すると、年収アップのチャンスが広がる

企業内での評価向上

  • 資格取得を評価する企業では、昇進や給与アップにつながることが多い
  • システム管理・運用の責任者としての役割を担える

クラウド・ビッグデータ領域への応用

  • Oracle Cloud, AWS, Google Cloudなどのクラウド環境でのデータベース運用に活かせる
  • ビッグデータ、データウェアハウスの領域でも活躍可能

コンピューター系資格一覧

応用情報技術者試験
基本情報技術者
エンベデッドシステムスペシャリスト試験
ITストラテジスト試験
システムアーキテクト試験
システム監査技術者
ITサービスマネージャ試験
ITパスポート試験
ネットワークスペシャリスト試験
プロジェクトマネージャ
情報処理安全確保支援士試験(RISS)
データベーススペシャリスト試験
Accessビジネスデータベース技能認定試験
Excel表計算処理技能認定試験
Word文書処理技能認定試験
PowerPointプレゼンテーション技能認定試験
Javaプログラミング能力認定試験
COBOLプログラミング能力認定試験
パソコン検定(P検)
C言語プログラミング能力認定試験
情報処理技術者能力認定試験
VisualBasicプログラミング能力認定試験
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
VBAエキスパート
IC3
ワードプロセッサ技能認定試験
パソコン技能検定Ⅱ種試験
EC(電子商取引)実践能力検定
OracleApplication認定コンサルタント
CAD利用技術者試験
ORACLE MASTER(オラクルマスター)
会計ソフト実務能力試験
Server+
A+
コンピュータサービス技能評価試験
J検(情報検定)
Linux+
Network+
UBA能力検定
マイクロソフト認定トレーナー(MCT)
マイクロソフト認定資格プログラム
Linux技術者認定試験
情報セキュリティ検定試験
UMLモデリング技能認定試験
Oracle Certified Java Programmer(OCJP)
CGエンジニア検定
画像処理エンジニア検定
シスコ技術者認定
インターネット検定 .com Master
Cisco技術者認定資格(CCIE)
Turbo-CE/Pro/CI
CIW
RHCE(Red Hat認定エンジニア)
Oracle Solaris 11 System Administrator
PostgreSQL CE
情報ネットワーク施工プロフェッショナル(INIP)
Zend PHP 5 Certification
商PC検定試験

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