Oracle Solaris 11オペレーティングシステムの管理スキルを認定する資格です。この資格は、システム管理者としての専門知識と能力を証明し、キャリアアップや専門性の向上に役立ちます。
資格の種類
Oracle Solaris 11 System Administrator資格には、主に以下の2つのレベルがあります。
1. Oracle Certified Associate (OCA), Oracle Solaris 11 System Administrator
Solaris 11の基本的なシステム管理スキルを持つことを証明します。具体的なスキルには、ローカルディスクデバイスの管理、ファイルシステムの管理、ソフトウェアパッケージのインストールと削除、システムの起動手順とプロセス管理などが含まれます。
2. Oracle Certified Professional (OCP), Oracle Solaris 11 System Administrator
この上級資格は、Solaris 11の高度なシステム管理スキルを持つことを証明します。具体的なスキルには、ネットワークインターフェースの設定、スワップ構成の管理、クラッシュダンプやコアファイルの管理などが含まれます。
受験資格と難易度
受験資格
Oracle Solaris 11 System Administrator資格には、特別な受験資格はありません。
ただし、試験レベルに応じた推奨スキルや知識が求められます。
1. OCA(Oracle Certified Associate, Oracle Solaris 11 System Administrator)
- 受験資格:なし(誰でも受験可能)
- 推奨スキル:
- 基本的なUNIX/Linuxの知識
- Oracle Solaris 11の基本的な操作
- システム管理の基礎(ファイルシステム、ユーザー管理、ネットワーク設定)
2. OCP(Oracle Certified Professional, Oracle Solaris 11 System Administrator)
- 受験資格:
- OCA(1Z0-821)合格が必須
- 推奨スキル:
- Solaris 11の高度なシステム管理(ネットワーク設定、仮想化、ストレージ管理)
- RBAC(ロールベースアクセス制御)やSMF(Service Management Facility)の理解
- クラッシュダンプ、システム診断、トラブルシューティング
難易度
1. OCA(1Z0-821)の難易度
- 合格率:60〜70%(比較的易しい)
- 合格ライン:64%以上
- 難易度のポイント:
- UNIX/Linuxの基本知識があれば比較的合格しやすい
- コマンド操作やシステム設定に関する問題が多い
- 実務経験がなくても独学で対策可能
2. OCP(1Z0-822)の難易度
- 合格率:30〜50%(やや難しい)
- 合格ライン:66%以上
- 難易度のポイント:
- システム管理の高度な知識が必要
- SolarisのRBAC、ゾーン管理、ZFSストレージ管理などの実践スキルが求められる
- 実機環境での操作経験が必須
試験内容
OCA(Oracle Certified Associate)とOCP(Oracle Certified Professional)**の2つのレベルに分かれており、それぞれ試験範囲が異なります。ここでは、各試験の詳細な内容を解説します。
OCA(Oracle Certified Associate, Oracle Solaris 11 System Administrator)
試験概要
- 試験コード:1Z0-821
- 試験形式:選択問題(複数選択・単一選択)
- 試験時間:120分
- 問題数:56問
- 合格基準:64%以上
- 推奨学習期間:1〜3か月(経験者) / 3〜6か月(初心者)
試験範囲(主要トピック)
1. Solaris 11の基本管理
- インストール方法(Live CD / Automated Installer)
- ブート環境の管理
- システム設定とファームウェア更新
2. パッケージ管理(IPS: Image Packaging System)
- IPSの基本操作(pkg install / pkg update / pkg uninstall)
- ソフトウェアリポジトリの設定
- IPSリポジトリの管理
3. ファイルシステムとストレージ管理
- ZFS(Zettabyte File System)の基本概念
- ZFSスナップショットとクローンの作成
- ZFSプールの管理 (zpool コマンド)
- 物理ストレージと仮想ストレージの管理
4. ユーザー管理
- ユーザーアカウントの作成・管理
- ロールベースアクセス制御(RBAC)
- パスワードポリシーの設定
5. プロセス管理
- システムプロセスの監視 (ps / prstat / top)
- ジョブの管理 (cron / at コマンド)
- SMF(Service Management Facility)の基本操作
6. ネットワーク設定
- IPアドレスとネットワークインターフェースの設定
- DHCP、DNSの基本設定
- ファイアウォール(IPFilter)の基本概念
7. Solaris Zones(仮想化技術)
- ゾーンの基本概念と管理
- ゾーンの作成、起動、停止
8. システムの監視とログ管理
- dmesg / logadmコマンドを使用したログ管理
- を使ったパフォーマンス監視
2. OCP(Oracle Certified Professional, Oracle Solaris 11 System Administrator)
試験概要
- 試験コード:1Z0-822
- 試験形式:選択問題(複数選択・単一選択)
- 試験時間:90分
- 問題数:60問
- 合格基準:66%以上
- 推奨学習期間:3〜6か月(経験者) / 6〜12か月(初心者)
試験範囲(主要トピック)
1. 高度なSolarisシステム管理
- システムのチューニング
- 高可用性のためのカーネルパラメータ調整
2. 高度なZFS管理
- RAIDZの設定
- ZFSデータのバックアップとリストア
- ZFS圧縮・暗号化の設定
3. 高度なネットワーク管理
- ネットワーク仮想化(VNIC、VLAN、仮想スイッチ)
- IPMP(IP MultiPathing)の設定
- ネットワークセキュリティ(IPsec、ファイアウォールルール)
4. Solaris Zonesの高度な管理
- ブランドゾーン(Linuxゾーン、Solaris 10ゾーン)の設定
- ゾーンのリソース制限(CPU/メモリ制御)
- 仮想ネットワーク構成
5. RBACとセキュリティ管理
- RBACの高度な設定(プロファイルとロールの組み合わせ)
- sudo、Auditd、PAM(Pluggable Authentication Modules)の設定
6. クラッシュダンプとトラブルシューティング
- カーネルパニックの解析
- システムクラッシュ時の対応
- コアダンプの分析
7. 仮想化・クラウド統合
- Oracle VM Server for SPARC(LDOM)の基本設定
- Solaris 11におけるクラウドインフラ統合
試験対策
OCA(Oracle Certified Associate, Oracle Solaris 11 System Administrator)試験対策
学習計画
- 推奨学習期間:
- 経験者:1〜3か月
- 初心者:3〜6か月
- 学習時間の目安:
- 平日:1〜2時間
- 週末:4〜6時間
- 合計:週10〜15時間の学習を継続
試験範囲と対策
1. Solaris 11の基本管理
- 学習ポイント:
- インストール方法(Live CD / Automated Installer)
- ブート環境の管理(GRUB、システムサービスの起動管理)
- 対策:
- 仮想環境(VirtualBox)にSolaris 11をインストールし、実際の操作を行う。
- Oracle公式ドキュメント 「Installing and Configuring Oracle Solaris 11」 を活用。
2. パッケージ管理(IPS: Image Packaging System)
- 学習ポイント:
- IPSの基本操作(pkg install / pkg update / pkg uninstall)
- ソフトウェアリポジトリの設定
- 対策:
- pkg publisher コマンドを試す(リポジトリの追加・変更)
- Solaris 11の仮想環境でパッケージ管理を実践
3. ファイルシステムとストレージ管理
- 学習ポイント:
- ZFS(Zettabyte File System)の基本操作
- ZFSスナップショットとクローン
- 対策:
- ZFSコマンドを実際に試す(zpool create / zfs create / zfs destroy)
- zfs snapshot / zfs rollbackのバックアップ・復元を学ぶ。
4. ユーザー管理
- 学習ポイント:
- ユーザーアカウント管理 (useradd / passwd / roleadd)
- RBAC(ロールベースアクセス制御)
- 対策:
- ユーザーとロールを作成し、RBACを設定
- profiles, roles コマンドを活用
5. ネットワーク設定
- 学習ポイント:
- ネットワークインターフェース設定 (ipadm, dladm)
- DHCP、DNSの基本設定
- 対策:
- IPアドレスの設定(ipadm create-addr)
- ネットワークの仮想化(VNIC, VLAN設定)
6. SMF(Service Management Facility)の管理
- 学習ポイント:
- SMFの基本(svcs,svcadm,svccfg)
- 対策:
- サービスの起動・停止・再起動を実践し、トラブルシューティングの流れを理解
OCP(Oracle Certified Professional, Oracle Solaris 11 System Administrator)試験対策
学習計画
- 推奨学習期間:
- 経験者:3〜6か月
- 初心者:6〜12か月
- 学習時間の目安:
- 平日:2〜3時間
- 週末:6〜8時間
- 合計:週15〜20時間の学習が推奨
試験範囲と対策
1. 高度なZFS管理
- 学習ポイント:
- ZFS RAIDZ(RAIDZ-1, RAIDZ-2)
- ZFSの圧縮・暗号化
- 対策:
- ZFS RAIDZを設定し、データのバックアップ・リストアを実践
- zfs send / zfs receive コマンドを試す。
2. Solaris Zones(仮想化技術)
- 学習ポイント:
- Solaris Zonesの作成と管理(zonecfg, zoneadm)
- 対策:
- 独立したゾーンを作成し、リソース制限を設定
- ブランドゾーン(Linuxゾーン、Solaris 10ゾーン)の違いを学ぶ
3. 高度なネットワーク管理
- 学習ポイント:
- IPマルチパス(IPMP)
- VNIC(仮想ネットワークインターフェース)
- 対策:
- ipmpadm を使用し、IPMPの設定
- VNICを作成し、仮想スイッチを設定
4. RBACとセキュリティ管理
- 学習ポイント:
- RBACのカスタマイズ
- sudo, PAM(Pluggable Authentication Modules)
- 対策:
- RBACロールを作成し、セキュリティ制限をテスト
- auditconfigを用いた監査ログの管理を試す
5. クラッシュダンプとトラブルシューティング
- 学習ポイント:
- savecore, crashコマンドの活用
- DTraceを使ったシステムデバッグ
- 対策:
- 仮想環境で意図的に障害を発生させ、トラブルシューティングを実践
使用する学習リソース
- Oracle公式トレーニング(OCP向け)
- Oracle Solaris 11 Advanced System Administration Guide
- Udemy / PluralsightのSolaris OCP対策講座
- 実機または仮想環境(Solaris 11 + VirtualBox / SPARC)
模擬試験の活用
試験前には、本番形式の模擬試験を受けることで、時間配分や試験の難易度を把握できます。
おすすめの模擬試験
- Oracle公式のPractice Exam
- Boson ExSim
- Udemyの模擬試験コース
- MeasureUpの試験対策問題
取得後に出来ること
Solaris環境の専門知識を証明し、システム管理やセキュリティ、仮想化などの高度なスキルを活かせる仕事に就くことができます。ここでは、資格取得後にできることを詳しく解説します。
キャリアアップと昇進
1. システム管理者(Solaris専門)
- Solaris 11を運用する企業やデータセンターで、システムの設計・構築・管理を担当。
- 業務内容:
- Solaris 11のインストール、設定、パフォーマンスチューニング
- ZFSストレージ管理、Solarisゾーン(仮想化環境)の構築
- ネットワークの設定とトラブルシューティング
- 想定年収:500万〜800万円
2. ネットワーク/サーバーエンジニア
- Solarisをベースとしたエンタープライズ環境のネットワークやサーバーを管理する。
- 業務内容:
- Solaris 11のRBAC(ロールベースアクセス制御)を活用したセキュリティ管理
- 高可用性システムの構築(IPMP、クラスタリング)
- 仮想ネットワーク(VNIC)の設定と運用
- 想定年収:600万〜900万円
3. ITインフラアーキテクト
- Solarisを中心としたITインフラ全体の設計・最適化を担当。
- 業務内容:
- クラウド環境との連携(Oracle Cloud、AWSとの統合)
- ZFSと仮想化技術を活用したストレージ・コンピュートリソースの管理
- Oracle VM Server for SPARC(LDOM)を活用した仮想マシンの最適化
- 想定年収:800万〜1,200万円
外資系・グローバル企業への転職
1. 外資系IT企業でのシステム管理
- Oracle Solarisを運用するGoogle、IBM、Cisco、Amazon Web Services(AWS)などの外資系IT企業への転職が有利。
- 英語力があると、グローバルプロジェクトにも関われる。
- 想定年収:700万〜1,500万円
2. 海外のデータセンター管理
- 米国やシンガポールなどのOracle Solarisを採用するデータセンターでの仕事が可能。
- グローバルなITインフラの設計・運用に携われる。
- 想定年収:900万〜2,000万円
フリーランス・独立
1. フリーランスSolarisエンジニア
- Solaris環境の構築・最適化のコンサルティング業務を請け負う。
- 企業向けのSolarisセキュリティ監査やチューニング支援を提供可能。
- 想定報酬:
- システム構築案件:50万〜150万円/件
- 運用保守案件:30万〜100万円/月
2. ITコンサルタント
- Solarisシステムの設計・移行・最適化のアドバイザーとして活動。
- 業務内容:
- Solaris環境をAWSやOracle Cloudに移行するプロジェクト支援
- ハイブリッドクラウド環境の設計・最適化
- 想定報酬:年収800万〜1,500万円
高度な専門職へのキャリアパス
1. セキュリティエンジニア(Solaris環境)
- Solaris環境のRBAC、SMF、ファイアウォール、暗号化を活用し、企業のシステムを守る。
- 業務内容:
- Solaris 11のアクセス制御(RBAC)の強化
- IPsec、SSL/TLSの設定
- セキュリティ監査(Auditd、PAMの設定)
- 想定年収:700万〜1,200万円
2. クラウドエンジニア(Oracle Cloud, AWS)
- Solaris環境をクラウドプラットフォーム(Oracle Cloud, AWS, Azure)に統合する。
- 業務内容:
- SolarisをOCI(Oracle Cloud Infrastructure)へ移行
- 仮想化環境の最適化(Solaris Zones, LDOM)
- クラウドストレージとの統合(ZFS on Cloud)
- 想定年収:900万〜1,500万円
研究・教育分野での活躍
1. Solarisトレーナー(講師)
- Solaris技術者向けの研修講師として活動可能。
- 業務内容:
- 企業向けのSolaris 11管理者トレーニング
- UdemyやPluralsightでオンライン講座の提供
- 想定報酬:
- 企業研修:50万〜100万円/回
- オンライン講座:1講座で月10万〜50万円の収益
2. Solaris技術ブログ・YouTubeで情報発信
- Solarisの運用ノウハウを発信し、広告収益やコンサル契約を獲得。
- 収益化の方法:
- YouTubeで「Solaris管理入門」などの技術解説動画を投稿
- 技術ブログで「Solaris 11トラブルシューティング」記事を執筆
- 想定報酬:月10万〜100万円(広告・スポンサー契約)
コンピューター系資格一覧
応用情報技術者試験
基本情報技術者
エンベデッドシステムスペシャリスト試験
ITストラテジスト試験
システムアーキテクト試験
システム監査技術者
ITサービスマネージャ試験
ITパスポート試験
ネットワークスペシャリスト試験
プロジェクトマネージャ
情報処理安全確保支援士試験(RISS)
データベーススペシャリスト試験
Accessビジネスデータベース技能認定試験
Excel表計算処理技能認定試験
Word文書処理技能認定試験
PowerPointプレゼンテーション技能認定試験
Javaプログラミング能力認定試験
COBOLプログラミング能力認定試験
パソコン検定(P検)
C言語プログラミング能力認定試験
情報処理技術者能力認定試験
VisualBasicプログラミング能力認定試験
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
VBAエキスパート
IC3
ワードプロセッサ技能認定試験
パソコン技能検定Ⅱ種試験
EC(電子商取引)実践能力検定
OracleApplication認定コンサルタント
CAD利用技術者試験
ORACLE MASTER(オラクルマスター)
会計ソフト実務能力試験
Server+
A+
コンピュータサービス技能評価試験
J検(情報検定)
Linux+
Network+
UBA能力検定
マイクロソフト認定トレーナー(MCT)
マイクロソフト認定資格プログラム
Linux技術者認定試験
情報セキュリティ検定試験
UMLモデリング技能認定試験
Oracle Certified Java Programmer(OCJP)
CGエンジニア検定
画像処理エンジニア検定
シスコ技術者認定
インターネット検定 .com Master
Cisco技術者認定資格(CCIE)
Turbo-CE/Pro/CI
CIW
RHCE(Red Hat認定エンジニア)
Oracle Solaris 11 System Administrator
PostgreSQL CE
情報ネットワーク施工プロフェッショナル(INIP)
Zend PHP 5 Certification
商PC検定試験