英語の「話す力(Speaking)」と「書く力(Writing)」を測定する試験です。TOEIC Listening & Reading(L&R)が受動的な英語力(聞く・読む力)を評価するのに対し、S&Wは**能動的な英語力(話す・書く力)**を測るため、実践的な英語コミュニケーション能力を証明できます。
受験資格と難易度
受験資格
TOEIC Speaking & Writing(S&W)テストには特別な受験資格はなく、誰でも受験可能です。
- 年齢・学歴・職業の制限なし(学生・社会人・シニアなど、誰でも受験可能)
- 英語レベルの制限なし(初心者から上級者まで対応)
- 受験回数の制限なし(何度でも受験可能、スコアは2年間有効)
- TOEIC Listening & Reading(L&R)を受験していなくても受験可能
受験対象者の例
- 英語を話す・書く能力を証明したい人(就職・転職・昇進に役立てたい)
- 外資系企業や海外勤務を目指す人(ビジネス英語力の証明として)
- 英語のスピーキングやライティングの実力を伸ばしたい人
- TOEIC L&Rのスコアは高いが、実際の会話力やライティング力を強化したい人
難易度
TOEIC S&Wの難易度は、英検やTOEIC L&Rと比較すると英検準2級~準1級レベルに相当します。
TOEIC S&W スコア | 英語レベルの目安 | できることの目安 |
---|---|---|
0~90点 | 初級(英検3級レベル) | 簡単な単語や短文のみ話せる・書ける |
100~130点 | 中級(英検準2級~2級レベル) | 簡単な日常会話やメールのやり取りができる |
140~160点 | 上級(英検準1級レベル) | ビジネス会話や英文メールの作成ができる |
170~200点 | 上級(英検1級レベル) | ネイティブ並みに英語で論理的な意見を述べられ |
試験内容
試験概要
セクション | 試験時間 | 問題数 | スコア範囲 | 受験形式 |
---|---|---|---|---|
Speaking(スピーキング) | 約20分 | 11問 | 0~200点 | コンピューター試験(マイク使用) |
Writing(ライティング) | 約60分 | 8問 | 0~200点 | コンピューター試験(キーボード入力) |
- SpeakingとWritingは別々に受験可能(両方セットで受験も可)
- スコアは10点刻みで評価され、企業や大学で英語力証明として活用
TOEIC Speaking(スピーキング)試験内容
試験時間:約20分 / 11問
ヘッドセットのマイクに向かって英語で話す試験です。発音・流暢さ・語彙・文法の正確さが評価されます。
(1) スピーキングの試験構成
問題 | 内容 | 問題数 | 準備時間 | 解答時間 |
---|---|---|---|---|
音読問題 | 短い英文を読み上げる | 2問 | – | 45秒 |
写真描写 | 1枚の写真を見て説明する | 1問 | 30秒 | 45秒 |
応答問題 | 質問を聞き、適切に答える | 3問 | – | 15秒~30秒 |
情報提供問題 | 指示された情報を伝える | 1問 | 30秒 | 60秒 |
意見を述べる問題 | あるテーマについて自分の意見を話す | 1問 | 30秒 | 60秒 |
問題解決・提案 | ある状況について提案する | 2問 | 30秒 | 60秒 |
(2) 各問題の詳細と例題
Part 1: 音読問題(2問)
- 画面に表示された短い英文を音読する
- 発音・イントネーション・流暢さが評価対象
Part 2: 写真描写(1問)
- 1枚の写真を見て、それを説明する
- 物の位置や状況を的確に説明する能力が求められる
Part 3: 応答問題(3問)
- 短い質問に対して、適切な応答を行う
- 即答力と適切な表現が求められる
Part 4: 情報提供問題(1問)
- 表やスケジュールの情報をもとに、内容を説明する
- 数字や詳細を正確に伝える能力が求められる
Part 5: 意見を述べる問題(1問)
- あるテーマについて自分の意見を述べる
- 論理的に説明する力が求められる
Part 6: 問題解決・提案(2問)
- ある状況について提案を行う
- 問題解決能力と提案力が評価される
TOEIC Writing(ライティング)試験内容
試験時間:約60分 / 8問
キーボードで英文を入力する試験で、文法・語彙・文章の構成力が評価されます。
(1) ライティングの試験構成
問題 | 内容 | 問題数 | 解答時間 |
---|---|---|---|
写真描写 | 写真を説明する文を書く | 1問 | 10分 |
Eメール作成 | 指示に従い、メールを書く | 2問 | 各10分 |
意見を述べるエッセイ | 150語以上のエッセイを書く | 1問 | 30分 |
(2) 各問題の詳細と例題
Part 1: 写真描写(1問)
- 写真を見て、シンプルな説明文を書く
Part 2: Eメール作成(2問)
- 指示に従い、適切なビジネスメールを作成
Part 3: 意見を述べるエッセイ(1問)
- 150語以上のエッセイを書く
- 論理的な構成と具体例を含めることが重要
試験対策
TOEIC Speaking(スピーキング)試験対策
(1) Part 1: 音読問題(2問)対策
評価ポイント: 発音・イントネーション・流暢さ
- 毎日英語の文章を音読する習慣をつける
- YouTubeや英語ニュースのナレーションをシャドーイング(音声を真似して発話)する
- 単語ごとの発音だけでなく、文章全体のリズムや抑揚を意識する
(2) Part 2: 写真描写(1問)対策
評価ポイント: 物の位置や状況を的確に説明する力
- 「誰が何をしているか」「背景の状況」などを的確に説明する練習をする
- 5W1H(Who, What, When, Where, Why, How)を意識して説明する
- 「There is / There are」や「A man is ~ing」などの定型表現を使う
(3) Part 3: 応答問題(3問)対策
評価ポイント: 簡潔かつ適切な返答をする能力
- 「Yes/Noだけで答えず、理由や具体例を加える」
- 模範解答をストックし、応用できるようにする(例:「休日の過ごし方」「好きな食べ物」など)
- 「聞かれたことに対して的確に答える」練習をする
(4) Part 4: 情報提供問題(1問)対策
評価ポイント: 画面の情報を的確に伝える能力
- 数字や時間、場所などの情報を正確に伝える練習をする
- 例:「The next train to Tokyo will leave at 5:30 PM from platform 7.」
(5) Part 5: 意見を述べる問題(1問)対策
評価ポイント: 意見を論理的に述べる能力
- 結論→理由→具体例→結論の流れを意識する(PREP法: Point, Reason, Example, Point)
- 「I think」「In my opinion」などの意見を述べる表現を覚える
- 理由を2つ用意すると説得力が増す
(6) Part 6: 問題解決・提案(2問)対策
評価ポイント: 提案力・問題解決能力
- 問題点を明確にし、それに対する解決策を提示する
- 「One solution is to…」「I suggest that…」などの提案表現を覚える
TOEIC Writing(ライティング)試験対策
(1) Part 1: 写真描写(1問)対策
評価ポイント: 写真の内容をシンプルかつ正確に説明する力
- 「There is / There are」や「A man is ~ing」などの表現を活用する
- シンプルで分かりやすい文章を意識する
(2) Part 2: Eメール作成(2問)対策
評価ポイント: 適切なメールの構成・フォーマルな表現
- 「Dear ~,」で始め、「Best regards, ~」で締めるフォーマットを覚える
- 簡潔に要点を伝える練習をする
(3) Part 3: 意見を述べるエッセイ(1問)対策
評価ポイント: 論理的な構成・文法・語彙
- 「結論→理由1→理由2→具体例→結論」の構成を守る
- 「I believe」「In my opinion」などの表現を覚える
取得後に出来ること
就職・転職で有利になる
TOEIC S&Wのスコアは、特に英語の実務能力を評価する企業や職種で重視されます。
(1) TOEIC S&Wが求められる業界・職種
業界・職種 | 目標スコア(Speaking / Writing) |
---|---|
外資系企業 | 150点以上 / 160点以上 |
海外営業・貿易 | 140点以上 / 160点以上 |
航空業界(CA・グランドスタッフ) | 130点以上 / 150点以上 |
ホテル・観光業 | 130点以上 / 150点以上 |
IT・エンジニア(海外案件) | 140点以上 / 160点以上 |
マーケティング・PR | 140点以上 / 160点以上 |
英語教師・講師 | 160点以上 / 170点以上 |
- スピーキング140点以上 → ビジネス英会話ができるレベル
- ライティング160点以上 → ビジネスメールやレポート作成ができるレベル
- TOEIC L&R 800点+TOEIC S&W 150点以上 → 実務レベルの英語力を証明できる
企業の採用基準として、TOEIC L&Rのスコアだけでなく、スピーキングやライティングの実力を評価するケースが増えているため、TOEIC S&Wのスコアが高いと、より有利になります。
履歴書への記載例
TOEIC S&W Speaking 160 / Writing 170(2024年取得)
昇進・昇格の条件になる
多くの企業では、TOEIC L&Rに加え、S&Wのスコアが昇進・昇格の要件となる場合があります。
企業の昇進基準の例
- 管理職昇進の条件:TOEIC Speaking 150点以上、Writing 160点以上
- 海外赴任の条件:TOEIC Speaking 160点以上、Writing 170点以上
- 社内英語研修の受講資格:TOEIC S&W 140点以上
特にグローバル企業では、英語を使う業務が増えているため、スピーキングやライティングのスコアが評価されやすい傾向にあります。
仕事での実務に活かせる
TOEIC S&Wで高スコアを取得すると、以下のような業務で英語を活用できるようになります。
- 海外の取引先と英語で会話ができる(ミーティング・電話対応・プレゼン)
- 英文メールのやり取りがスムーズになる(ビジネスメール・交渉)
- 英語での報告書・プレゼン資料を作成できる
- 英語の会議に積極的に参加できる
スコア別の業務対応力の目安
スコア(Speaking / Writing) | 業務対応レベル |
---|---|
100~130点 | 簡単な日常会話・定型メール作成 |
140~150点 | 簡単なビジネス会話・業務連絡メール作成 |
160~170点 | 英語での商談・会議発言・詳細な報告書作成 |
180~200点 | ネイティブレベルの流暢な会話・高レベルなライティング |
海外勤務・海外出張のチャンスが広がる
TOEIC S&Wは、海外赴任・海外出張を希望する際の英語力証明として活用できます。
- 外資系企業の海外拠点勤務の選考基準
- 海外との交渉・プレゼンが必要なポジションでの昇格要件
- 海外出張に必要な英語力を持っていることの証明
特に、TOEIC Speaking 160点以上・Writing 170点以上があると、英語での業務遂行能力が高いと評価される。
大学・大学院の入試や単位認定に活用
TOEIC S&Wのスコアは、一部の大学・大学院で入試の英語力証明や単位認定に使用されています。
- TOEIC S&Wのスコアが一定以上で、英語の単位が認定される
- 海外の大学院やMBAの出願時に英語スコアとして利用できる場合がある
- 英語のプレゼンや論文執筆の基礎スキルを身につけられる
特に、国際系学部やビジネススクールでは、スピーキングやライティングのスコアが重視される傾向にある。
日常生活・海外旅行で役立つ
TOEIC S&Wで鍛えたスピーキング力とライティング力は、海外旅行や日常生活でも役立ちます。
- 海外旅行での会話がスムーズになる(ホテル予約・レストラン・交通機関)
- 英語でのチャットやSNS投稿ができるようになる
- 外国人との英会話に自信がつく
実際の場面で使う英語力が向上するため、英語を話すことへの抵抗感が減ります。
取得後のおすすめステップ
(1) TOEIC L&Rと組み合わせて、英語4技能を証明
- TOEIC L&R 800点+TOEIC S&W 150点以上 → ビジネス英語ができるレベル
- TOEIC L&R 900点+TOEIC S&W 170点以上 → ネイティブに近い英語運用能力
(2) オンライン英会話や英語ライティングの実践
- TOEIC S&Wのスコアを活かし、実際に英語を話す・書く機会を増やす
- オンライン英会話や英語日記を書く習慣をつける
(3) 国際資格・試験に挑戦
- IELTSやTOEFLのSpeaking/Writingの対策にも役立つ
- ビジネス英語資格(BULATS・VERSANT)などに挑戦
合格お役立ちサイト
- TOEIC完全攻略方程式
2万人以上の生徒・学生・社会人の方々に 英語を指導してきた経験と、30年間もの探求の末に導き出した、TOEIC990点満点勉強法
語学系資格一覧
通訳案内士
翻訳実務士資格
JTFほんやく検定
知的財産翻訳検定
TOEIC Bridge
TOEIC
TOEIC Speaking & Writing
ケンブリッジESOL英語検定試験
TOPEC
工業英語能力検定試験
SST(スタンダードスピーキングテスト)
TSST
TEP TEST
TOEFL
ACT
SAT
GRE
GMAT
IELTS
全養協日本語教師検定
J-SHINE(小学校英語指導者資格)
日本語教育能力検定試験
中国語検定
ビジネス中国語検定
スコア式ビジネス中国語検定試験
新HSK(漢語水平考試)
世界韓国語認証試験(KLPT)
インドネシア語技能検定試験
タイ語検定試験(TAEC)
ハングル能力検定
実用タイ語検定試験
実用イタリア語検定
スペイン語技能検定
DELE(スペイン文部省認定証)
ドイツ語技能検定試験
フランス語能力認定試験(TEF)
実用フランス語技能検定
ロシア語能力検定
観光英語検定試験